ベネッセ教育総合研究所が選ぶ「調査データ クリップ!子どもと教育」

生活時間

生活時間 〜第2回〜

第2回

PDFダウンロード(251KB)PDF

  1. 4割の中学生が、テレビを3時間以上見ている
  2. 学習塾に通う中高生の7割が、午後9時以降に帰宅
  3. 勉強や遊びの時間の4〜5割が「TV・ビデオ・TVゲーム」
  4. 親子の接触時間は減少傾向、父親の23%はほとんど接触なし

第1回

PDFダウンロード(256KB)PDF

高校生の睡眠時間、半数が6時間以内 幼児の保護者に「早寝、早起き」の重要性が浸透? もっとも勉強するのは中学生、4割近くが2時間以上 など


第3回

PDFダウンロード(197KB)PDF

ほとんど本を読まない高校生が約半数 小学生の学習時間、東京は二極化 幼児の生活リズムが夜型化


第4回

大学生の授業への出席率は87% 「毎日が楽しい」が、多忙感も感じる中・高校生 小学生の遊びのピークは16時45分 など

【2-1】4割の中学生が、テレビを3時間以上見ている

テレビ・ビデオ(DVD)を見る時間(学校段階別)テレビゲームで遊ぶ時間(学校段階別)

出典
「第1回子ども生活実態基本調査報告書」Benesse 教育研究開発センター(2005)
調査対象
小学4年生〜高校2年生

小学生から高校生のテレビやビデオ(DVD)を見る時間は、いずれも2時間程度となっている。なかでも中学生が、男子2時間10分、女子2時間20分と、他の学校段階に比べて視聴時間がやや長い。

「3時間くらい+3時間以上」の子どもの割合は、小学生が33.5%、中学生が40.5%、高校生が27.6%で、中学生の4割が3時間以上テレビに向かっている。

テレビゲームで遊ぶ時間は、小学生と中学生ではほとんど変わらないが、高校生になると大きく減少している。また、遊ぶ時間に男女差が大きく、男子は女子の2〜3倍の時間、テレビゲームで遊んでいる。

「1時間以上」テレビゲームで遊ぶ子どもの割合は、小学生が48.1%、中学生が48.3%と全体の半数近くを占めるが、高校生になると28.3%と大きく減少している。また、「ほとんどしない」子どもは、小学生23.5%、中学生37.7%、高校生60.4%と、年齢とともに増加し、ゲーム離れが進むことがわかる。

【2-2】学習塾に通う中高生の7割が、午後9時以降に帰宅

学習塾での学習時間と帰宅時間

出典
「地域の教育力の充実に向けた実態・意識調査報告書」子どもの体験活動研究会(2002)
調査対象
小学3・5年生、中学2年生、高校2年生

「地域の教育力の充実に向けた実態・意識調査報告書」(子どもの体験活動研究会)によれば、小学3年生の30%、小学5年生の39%、中学2年生の50%、高校2年生の15%が学習塾に通っている。

学習塾で1回に勉強する時間は、小学3年生では「1時間未満」が46%ともっとも多いが、小学5年生では「1〜2時間未満」が47%ともっとも多い。また、中学2年生では、「2〜3時間未満」と「3時間以上」を合わせて50%となり、学習塾での勉強時間がとても長くなっているが、高校2年生ではやや減少する傾向にある。

学習塾に行ったあと、家に着く時刻を調べたところ、小学生では午後7時より前に帰宅する子どもの割合が86%(小学3年生)、68%(小学5年生)と多いのに対し、中学生・高校生では午後9時以降に帰宅する子どもの割合が73%(中学2年生)、68%(高校2年生)と多くなっている。
 中学生の7割は12時ごろまでに就寝(『生活時間』第1回【1-1】参照)しているので、塾から帰宅後の2時間程度の時間で、食事、入浴、宿題等をこなしていることになり、忙しい中学生の生活がうかがえる。

【2-3】勉強や遊びの時間の4〜5割が「TV・ビデオ・TVゲーム」

勉強や遊びの平均時間

出典
「児童生徒の心の健康と生活習慣に関する調査報告書」文部科学省(2002年)
調査対象
小学2・4・6年生、中学2年生、高校2年生

子どもが勉強や遊びに費やす時間をみてみると、「勉強」と「塾や習い事」を合わせた時間は、小学2年生から4年生・6年生にかけてやや増加する。中学2年生とでは大きな変化はなく、高校2年生になると「塾や習い事」の時間が短くなっている。

「学童クラブ・部活動」と「友だちとの遊び」の時間を合わせてみると、小学生では「友だちとの遊び」の時間が多くを占めるが、中学2年生や高校2年生では「学童クラブ・部活動」に1時間前後と長い時間をあてていて、高校生より中学生、男子より女子が長い傾向がある。

「TV・ビデオ・TV(コンピュータ)ゲーム」の時間は、どの学年でも一番長く、勉強や遊びに関する5つの項目を合わせた時間の4〜5割になっている。最近の子どもは、勉強や塾、部活動など、さまざまなことで忙しいとはいえ、子どもが自由に使える時間の中で、テレビやビデオ、ゲームの占める割合が高いことにかわりはない。

【2-4】親子の接触時間は減少傾向、父親の23%はほとんど接触なし

親子の接触時間(平日)

出典
「低年齢少年の生活と意識に関する調査報告書」内閣府政策統括官(共生社会政策担当)(2007年)
調査対象
小学4年生〜中学3年生とその保護者 ※両親、ないし、父母がいない場合は養育している人を含めて2名を調査

親子の平日の接触時間は、6年前の調査に比べて全体的に減少傾向にある。父親と母親を合わせた結果では、「ほとんどない」が12.7%と5.4ポイント増加している。

父親は、「ほとんどない」が9.2ポイント上昇しているが、「15分くらい」「30分くらい」という回答は減り、「1時間くらい」「2時間くらい」という回答がやや増えている。母親は、父親に比べると接触時間が長いが、2時間以上がいずれも減少し、1時間以下が増加している。

こうした変化の背景には、生活スタイルの変化、例えば子ども部屋の有無や子ども用のテレビやパソコンを与えているかなども影響している可能性があると思われる。

参考資料
「第1回子ども生活実態基本調査報告書」Benesse 教育研究開発センター
「地域の教育力の充実に向けた実態・意識調査報告書」子どもの体験活動研究会
「児童生徒の心の健康と生活習慣に関する調査報告書」文部科学省
「低年齢少年の生活と意識に関する調査報告書」内閣府政策統括官(共生社会政策担当)