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塾・習い事 〜第2回〜
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小学生の習い事を男女別にみると、男子は「スポーツ(水泳、剣道、柔道、体操、野球、サッカーなど)」が65.4%と圧倒的に多く、女子の36.3%より30ポイント近く高くなっている。これに対して女子は「音楽(ピアノ、バイオリンなど)」(女子36.7%>男子9.7%)、「習字」(女子21.0%>男子11.5%)、「バレエ、ダンス」(女子11.3%>男子1.1%)など、男子と比べて芸術関係の習い事が多い。習い事の世界では性差が大きいことがうかがえる。
10年前の調査と比べると、男女とも「スポーツ」が10ポイント近く増加している。近年、地域で運営するサッカークラブや野球クラブなどの活動がさかんになっており、また、大人の健康志向の高まり、日本人アスリートの活躍なども影響しているように思われる。
反対に「習字」「そろばん」が男女とも大きく減少(男子は半減)しており、日本の伝統的な習い事が減少傾向にあることがわかる。
「英語」は、小学5年生についていえば、ここ10年の比較であまり変化がない。
「第3回幼児の生活アンケート報告書・国内調査」によると、幼児期に何らかの習いごとや通信教育をする比率は57.5%で、年齢が上がるにつれて高くなっている。とくに6歳児では85.5%と、大半の幼児が習いごとをしている。
習いごとの種類を年齢別にみると、「通信教育(定期)」は0歳児で11.9%、6歳児で26.4%となっていて、年齢とともに増加傾向にある。「英会話などの語学の教室」は、3歳児で9.9%とほぼ1割になり、5歳児で20.8%、6歳児で23.2%とともに2割を超えている。「スイミングスクール」も4〜5歳児にかけての伸びが大きく、5歳児で26.8%、6歳児で29.0%となっている。
小学校入学直前に増える傾向にあるのは「楽器」と「受験目的以外の塾」で、「受験目的以外の塾」は、5歳児では6.0%だが、6歳児では15.6%と、9.6ポイントの増加となっている。
東京・ソウル・北京・上海の幼児の習いごとの種類を比較すると、4都市ともに、上位3位までに「英会話などの語学の教室」が入っている(東京17.8%、ソウル11.2%、北京22.9%、上海37.0%)。アジアの都市の保護者は英語に強い関心を寄せている様子がうかがえる。
東京で第1位の「スイミングスクール」(22.5%)や第4位の「スポーツクラブ・体操教室」(15.4%)等のスポーツ系の習いごとが、他都市ではあまりポイントが高くない。
また、他の3都市で人気の絵画教室(ソウル16.1%、北京29.9%、上海49.6%)が、東京では3.2%と低い値になっている。
ソウルでは、圧倒的な人気の学習誌(53.0%)をはじめ、ガーベ、ブロック、モンテッソリと、学習関連のさまざまな習いごとが行われていることが特徴的である。幼児期からの学習プログラムの多彩さに近年の韓国における教育熱があらわれているといえよう。
塾や習い事への行き方をみると、学校がある日は「自転車で行く」(48.9%)がもっとも多く、「歩いて行く」(38.2%)、「車で行く」(36.2%)と続く。
土日に一番多いのは、「自転車で行く」(47.4%)であるが、続いて「車で行く」(40.4%)であり、「歩いて行く」は22.0%と平日に比べて大幅に少なくなっている。
「歩いて行く」「自転車で行く」といった比較的近辺の塾や習い事に通う子どもが多い反面、「電車やスクールバスで行く」「車で行く」といった遠方の塾や習い事に通う子どもも、決して少なくないことがわかる。
土日は「歩いて行く」が大きく減り、「車で行く」がやや増えているが、保護者が比較的時間が自由になる土日に大規模な塾や専門性の高い習い事に通うことが多いと思われる。