ベネッセ教育総合研究所が選ぶ「調査データ クリップ!子どもと教育」

進路選択・キャリア教育

進路選択・キャリア教育 〜第4回〜

第4回

  1. 「他の大学に入り直したい」と思う学生は4割
  2. 6〜8割の子どもが身近で現実的な将来をイメージ

第1回

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大都市で中学受験の希望が急増 小・中学生の段階で半数が文系・理系を意識 保護者の8割、大学卒に何らかのメリット期待 など


第2回

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将来なりたい職業は、あこがれから現実的・安定へ 「仕事を通じて社会貢献」の意識が強まる 就職後1年目で離職する割合が高い など


第3回

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企業が求める能力と若者の強みにギャップ 中学受験に地域(人口規模)による違い 大卒・短大卒の母親はいい大学、他は資格を重視

【4-1】「他の大学に入り直したい」と思う学生は4割

「他の大学に入り直したい」と思う学生(全体、大学志望度別)

出典
「大学生の学習・生活実態調査報告書」ベネッセ教育研究開発センター(2009)
調査対象
18〜24歳の大学1〜4年生 4,070名(男子2,439名、女子1,631名)

大学生がどの程度現在の大学に満足・適応しているかを知るために、「他の大学に入り直したい」と思うことがあるかどうかをたずねた調査結果をみると、「他の大学に入り直したい」と思うことが「よくある」「たまにある」と答えた学生は全体の45.7%で、4割を超える学生が他の大学に入り直したいと感じていることがわかった。

大学への志望度別にみてみると、「他の大学に入り直したい」と思うことが「よくある」と答えた学生は、現在の大学に「ぜひ入りたいと思って進学した」学生では7.7%、「まあ満足して進学した」学生では12.5%と、比較的希望頻度が低いのに対し、「やや不満だが進学した」学生では31.8%、「やむを得ず進学した」学生では54.1%と、それぞれ3割、5割以上の学生が他の大学への入り直しを強く意識していることがわかる。
 一方、現在の大学に「ぜひ入りたいと思って進学した」学生は、5割以上の学生が「他の大学に入り直したい」と思うことが「全くない」(51.6%)と答えており、大学への志望度がその後の大学への満足度・適応度に影響している様子がうかがえる。

【4-2】6〜8割の子どもが身近で現実的な将来をイメージ

将来像(学校段階別)

出典
「第2回 子ども生活実態基本調査 速報版」ベネッセ教育研究開発センター(2010)
調査対象
小学4年生〜高校2年生 13,797名

小学4年生から高校2年生を対象に、子ども自身の将来像についてたずねた結果をみてみると、「親を大切にしている」「幸せになっている」「子どもを育てている」「自由にのんびり暮らしている」といった、身近で現実的な将来像を描く子どもが、学校段階を問わず6割〜8割程度いることがわかった。
 とくに「親を大切にしている」は、小学生で82.9%、中学生で74.9%、高校生で79.2%が「とてもそう思う」+「まあそう思う」と回答しており、良好な親子関係を築き、家族を大切に考える子どもたちの様子がうかがえる。

その一方で、「多くの人の役に立っている」「お金持ちになっている」「有名になっている」「世界で活躍している」といった将来をイメージする子どもは少なく、なかでも「有名になっている」「世界で活躍している」は、2割を下回った。

参考資料
「大学生の学習・生活実態調査報告書」ベネッセ教育研究開発センター
「第2回 子ども生活実態基本調査 速報版」ベネッセ教育研究開発センター