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子育て 〜第2回〜
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母親の子育て観についてたずねた調査結果をみると、6割の母親が「子育ても大事だが、自分の生き方も大切にしたい」と考えている。その一方で「子どもが3歳くらいまでは母親がいつも一緒にいた方がいい」と考える母親も6割にのぼる。自分の生き方も子どものことも両方とも大切にしたいと考えている母親の姿がうかがえる。
母親の就業状況別にみると、常勤者とパートタイムは「子育ても大事だが、自分の生き方も大切にしたい」を支持する比率が高い。一方、「子どもが3歳くらいまでは母親がいつも一緒にいた方がいい」に対しては、専業主婦の支持が圧倒的に高く(70.4%)、常勤者(21.3%)、パートタイム(40.3%)と顕著な差がみられた。
子どもの教育については、「文字や数は子どもが関心を持つようになってから教えるのがよい」(80.7%)、「子どもの教育について、子どもの自主性を重んじるのがよい」(76.1%)がともに8割前後と、子どもの自主性に任せ、子どもの可能性を信じて見守る母親が多い様子がうかがえる。
子育てについての不安や悩みについてたずねた調査結果をみると、全体としては「子どもの勉強や進学に関すること」が54.8%ともっとも多く、次いで「子どものしつけに関すること」(52.3%)、「子どもの性格や癖に関すること」(40.5%)となっている。
子どもの学年別でみると、「子どもの勉強や進学に関すること」「子どもの就職に関すること」については、学年が上がるにつれて割合が高くなっており、とくに「子どもの勉強や進学に関すること」は、子どもの学年が中学生で74.5%、高校生等で69.4%と7割前後の親が不安や悩みを抱えていることがわかる。
一方、その他の不安や悩みについては、未就学から小学校1〜3年生にかけて、全体的に高い割合となっていて、学年が上がるにつれて減少する傾向にある。
子どもの成長とともに子育ての不安や悩みも変化していく様子がうかがえる。
日本、韓国、タイ、アメリカ、フランス、スウェーデンの6か国の親を対象に、親になることについての経験や学習についてたずねた調査結果をみると、日本では「育児の本を読んだ」が29.9%ともっとも多く、次いで「親から教えてもらった」(29.4%)、「親戚や知人の子どもの世話」(28.6%)の順になっている。
実際の経験をともなう項目をみると、「親戚や知人の子どもの世話」が28.6%、「小さい弟や妹の世話をした」が18.2%、「よその家のベビーシッター」はわずか1.4%で、他の国と比べ、経験より育児の本から学ぶ割合が高いのが特徴的だ。韓国も同様の傾向がみられる。
一方他の4か国では、「親から教えてもらった」を除くと、「親戚や知人の子どもの世話」「小さい弟や妹の世話をした」「よその家のベビーシッター」など、実際に子どもの世話をした経験が上位を占めており、とくに欧米3か国では、「よその家のベビーシッター」(アメリカ37.7%、フランス18.8%、スウェーデン36.5%)を多くの親が経験していることが特徴的である。
父親の家事・育児への参加の程度を聞いた調査結果から、「ほとんど毎日する(いつもする)」の数値が高い項目を順にみていくと、「ごみを出す」(40.4%)、「子どもを叱ったり、ほめたりする」(34.4%)、「子どもをお風呂に入れる」(20.8%)、「子どもが病気の時、面倒を見る」(20.4%)となっている。一方、下位は「掃除をする」(1.4%)、「子どもと一緒に外で遊ぶ」(1.6%)、「食事のしたくをする」(3.2%)、「買い物をする」(3.3%)であった。父親の家事・育児への参加は、「ごみを出す」を別にすれば、全体的に家事よりも育児のほうに積極的であるといえよう。
また、同調査によると「家事や育児に今以上にかかわりたいと思いますか」との質問に、「はい」と答えた父親が約半数(47.9%)いる。かかわりたいと思っている家事・育児は、「子どもと一緒に外で遊ぶ」(78.8%)、「子どもと一緒に室内で遊ぶ」(44.9%)、「子どもを叱ったり、ほめたりする」(36.5%)といった育児に関する項目が上位を占めた。ここからも、家事はまかせて育児にかかわりたい父親像がみえてくる。