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子育て 〜第5回〜
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乳幼児を持つ父親の家事・育児への参加意識をみると、「家事や育児に、今以上にかかわりたい」と考えている父親は54.2%であり、2005年調査に比べて6.3ポイント増加した。
具体的にどのようなことにかかわりたいのかをみてみると、「子どもと一緒に外で遊ぶ」が74.3%ともっとも多く、次いで「子どもと一緒に室内で遊ぶ」(44.1%)、「子どもをお風呂に入れる」(29.4%)、「子どもを叱ったり、ほめたりする」(29.2%)と、育児にかかわる項目が上位を占めた。
一方、家事にかかわる項目は、「食事のしたくをする」(15.3%)、「買い物をする」(9.0%)、「掃除をする」(7.6%)、「食事の後片付けをする」(6.4%)と、いずれも1割前後にとどまっている。
同調査で、実際に父親が「現在、かかわっている家事・育児」をみてみても、「ごみを出す」を除いて育児にかかわる項目が上位を占めており(図表省略)、家事よりも育児のほうに積極的な父親像がみえてくる。
乳幼児を持つ父親に配偶者とのかかわりについてたずねた結果をみると、「自分は妻に必要とされている」(「とてもあてはまる」)と回答した父親は21.1%で、2005年調査と比べて14.2ポイント減少した。「妻と自分は、互いに心の支えになっている」(「とてもあてはまる」)は22.9%で、4年前と比べあまり変化はない。
一方、7〜8割の父親が子どものことやそれ以外のことを「妻と毎日話している」(「とてもあてはまる」+「まああてはまる」)と回答したのに対し、「自分の仕事・生活上の悩みを妻に相談している」と回答した父親は4割にとどまった。
同調査で、「父親として、今後不安なこと」をたずねた結果をみてみると、「将来の子どもの教育費用が高いこと」「育児費用の負担が大きいこと」「自分の収入が減少しないかどうか」といったお金にかかわる項目が上位を占めた。経済的・社会的な不安感が、父親としての自信を失わせる一因となっているのかもしれない。
小学4年生から高校2年生を対象に、親との会話の頻度をたずねた結果をみると、2009年調査では2004年調査と比べ、父親との会話、母親との会話が増えていることがわかった。
中学生について詳しくみてみると、父親や母親と「よく話をする」+「ときどき話をする」割合は、どの項目においても増加している。とくに「友だちのことについて」話す比率は、父親とが24.0%(2004年)から31.3%(2009年)へ7.3ポイント、母親とが57.2%から66.4%へ9.2ポイントと、もっとも増加幅が大きい。また、「学校でのできごとについて」話す比率も、父親6.2ポイント(2004年:32.5%→2009年:38.7%)、母親5.4ポイント(68.4%→73.8%)と、ともに5ポイント以上増加した。
一方、「将来や進路のことについて」の会話などは、2ポイント前後の増加にとどまっている。
男女別に、もっとも増加幅が大きかった項目をみてみると、女子では、父親との「友だちのことについて」の会話が22.1%から30.1%で8.0ポイント、男子では、母親との「友だちのことについて」の会話が45.8%から57.1%で11.3ポイント増加しており(図表省略)、親子関係をみるうえで、大変興味深い。