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英語教育 〜第3回〜
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文部科学省は、小学校における英語活動等国際理解活動について指導方法等の確立を図るため、地域の学校のモデルとなる拠点校を指定し、各拠点校で「英語ノート(試作版)」を活用した取り組みを進めている。拠点校における「英語ノート」の活用度をみてみると、「英語ノート」を使っていると回答した割合は、95%超と非常に高いものの、活用している割合(「とても活用している」+「まあ活用している」)は5、6年生ともに、6割程度となっている。
また「英語ノート」の全体的な印象については、「とてもよい」、「まあよい」という肯定的な回答が約3分の2を占めた。一方で、その活用について詳しくたずねた項目では、「紙面の構成がよい」「文字の量がよい」などで、約半数が肯定的な評価をしているものの、「難易度がちょうどよい」「使いやすい」で否定的な回答が過半数を占め、課題となっている。
学校外で英語学習を行っていると回答した人(全体の18.8%)に、教室や教材の種類についてたずねた結果をみてみると、小学校低学年や中学年では、圧倒的に「英会話教室」が多く、それぞれ66.8%、55.1%となっている。しかし、高学年になると、「英会話教室」は39.6%に減少し、その一方で、「学習塾の英語コース」に通っている割合が39.3%と、中学年の15.6%から一気に増加する。
「英会話教室」と「学習塾の英語コース」の合計は、いずれの学年でも7割を超えており、教室型の英語学習が主流であることがわかる。教室型以外のものでは、低学年では「その他」と「市販の教材」、中学年・高学年では「通信教育の教材」が1割を超えている。
GTEC for STUDENTSを用いて測定した日韓高校生の英語コミュニケーション能力の調査結果から、日韓のトータルスコアの分布をみてみると、日本の高校生では、トータルスコアの2分の1である400点前後に大半が集中していることがわかる。一方、韓国の場合は、ほぼ正規分布に近い形で得点群が分散している。
とくに、両国の上位の得点群の分布に大きな差がみられ、日本の高校生では、480点以上の割合が18.7%なのに対して、韓国は43.7%となっており、全体的に日本よりも上位層の頻度が高いことがわかる。
リーディング、リスニング、ライティングの別に比較してみると、リーディング、リスニングのスコアについては、韓国では上位層の頻度が高い傾向がみられる。ライティングスコアについては、日本が韓国に比べて中位層を中心に上位層にまで分布が広がっている。
中学校・高等学校における英語の授業での英語の使用状況をみてみると、中学校においては、「大半は英語を用いて行っている」「半分以上は英語を用いて行っている」と答えた割合は、いずれの学年においても約3分の1となっている。中学校の英語の授業において、英語を使用した授業は必ずしも多くないことがわかる。
高等学校になると、OC(オーラル・コミュニケーション)Tの授業では、授業中に半分以上英語を用いていると答えた割合が54.6%と増加する。それに対して、英語Tでは授業中の英語の使用が半分以下と答えた割合が88.5%となっており、なかでも1割は「英語の使用はほとんどあるいは全くない」ことがわかる。高等学校では、同じ英語でも、OCTと英語Tでは、授業中の英語の使用状況がまったく異なっている様子がうかがえる。