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学校・教員 〜第3回〜
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全国の小中学生の保護者を対象に、学校教育に対する意識をたずねた調査結果をみると、(1)教育内容の決定に関しては「どんな地域でも同じ教育を受けられるよう、教育内容は国が定めたほうがいい」が71.1%と多く、「地域による違いがあっても、教育内容は都道府県や市区町村が決めたほうがいい」の25.9%を大きく上回った。また、(6)学習内容の選択に関しては「義務教育では、すべての子どもに共通する内容を教えるのがよい」が6割を超えており、すべての子どもに共通の教育内容を望む保護者が多いことがわかる。
(3)教科書のレベルについては「教科書は基礎的な内容に重点を置いて作ったほうがいい」が7割を超え、(4)つけてほしい学力では「苦手な教科の学力」(63.6%)、(5)増やしてほしい授業では「教科書の基礎的な知識を身につける授業」(56.1%)と、基礎的な知識・内容を重視する保護者が多い。
(2)学校間の競争に関しては、競争により「教育が悪くなる」(65.4%)との意見が多く、(7)学校教育の負担に関する質問では、意見が分かれた。
小学6年生の児童に「通いたい中学校」を、その保護者に「子どもを通わせたい中学校」をたずねた結果をみると、「とてもそう思う」の比率が高いのは、子どもでは「仲間はずれやいじめがない」(78.3%)、「わかりやすい授業をしてくれる」(76.3%)、「小学校の友だちがたくさん行く」(61.2%)となっており、子どもは、友だち関係や授業のわかりやすさを重視していることがわかる。
一方、保護者では、「わかりやすい授業をしてくれる」(80.9%)、「仲間はずれやいじめがない」(75.7%)、「悪いことをしたら厳しくしかってくれる」(60.6%)の比率が6割から8割と高い。上位2項目は子どもと同じであるが、保護者は、友だち関係や授業のわかりやすさに加え、生活面での指導も期待している様子がうかがえる。
教員の採用実態等に関するアンケート調査から、「指導力不足教員が生まれる理由」をたずねた調査結果をみると、「保護者や生徒の教員を見る目が厳しくなったため」という回答が、都道府県教育委員会で61.7%、市区教育委員会で49.8%という結果になった。次いで「教える内容が多様になり、従来の教育ノウハウでは通用しなくなっているため」(都道府県教委55.3%、市区教委51.9%)もポイントが高い。
一方、教員では「教員の業務増大・長時間勤務等より研究や自己啓発の時間がとれないため」が、58.8%ともっともポイントが高い。この項目に関しては、都道府県教委17.0%、市区教委27.1%と、教員に比べてかなりポイントが低く、時間不足を痛感する現場の教員と教育委員会との意識差が浮き彫りになった。
また、教育委員会、教員ともに4割前後が「教員としての適性資質を欠く者は常に一定比率採用者の中に存在してしまうため」(都道府県教委38.3%、市区教委45.4%、教員41.2%)と回答している。
学校評価及び情報提供の実施状況を調べた結果をみると、平成18年度の「公立学校における自己評価」の実施率は98.0%と、ほぼすべての公立学校で自己評価が行われていることがわかる。学校種別にみると、幼稚園では85.7%、小学校では99.7%、中学校では99.6%、高等学校では99.5%の学校で自己評価に取り組んでいる。
自己評価を実施した学校のうち、評価結果を「保護者に広く公表している」学校は45.2%(調査対象校全体の44.3%)であった。公表方法としては、「学校便りを利用」が79.1%、「ホームページを利用」が31.4%となっている。
一方、平成18年度の「公立学校における学校関係者評価」の実施率は49.1%と全体の半数程度にとどまっている。実施率を学校種別にみると、幼稚園では約2割、小・中学校では約5割、高校では約7割となっている。
このうち、評価結果を「保護者に広く公表している」学校は38.7%であり、これは調査対象校全体の19.0%である。公表方法としては、「学校便りを利用」が76.7%、「ホームページを利用」が34.4%となっている。