Pick UP 教育データ 第11回 さまざまな学習指導を望む保護者と、負担増を気にかける教員
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第11回

さまざまな学習指導を望む保護者と、負担増を気にかける教員

文部科学省と厚生労働省の発表では、来年度から全国すべての公立小学校において、放課後も児童を預かることが決定されたようです。特に共働きの家庭では、夜までの利用が可能。教員OBや地域住民がスタッフとはいえ、子どもたちが学校で過ごす時間は増えることでしょう。

今まで以上に家庭と学校の距離が縮まる中、保護者と教員の間にはどのような意識の違いがあるでしょうか。今回は「授業や学習指導の改革に対する意見」から、保護者と教員の考え方の違いを調べてみました。

 「補習」「小学校からの英語教育」「授業時間の増加」で

  保護者と教員の意識に大きな開き

▼図1 授業や学習指導の改革に対する意見(一般教員/保護者)

図1
出典:義務教育に関する意識調査(2005年)文部科学省委嘱調査、ベネッセコーポレーション

上の図は、全国の小・中学生、保護者、小・中教員などを対象に行った、義務教育に関する意識調査の結果です。授業や学習指導の改革に関して保護者と一般教員(校長・教頭・副校長以外の教員)の考えを訊ねたところ、保護者の賛成がもっとも多かったのは「複数担任制や少人数による指導を行う」で80.9%(「賛成」と「まあ賛成」の合計)でした。次いで「年間の授業時間を増やす」67.0%、「小学校から英語活動を必修にする」66.8%が続き、これらは3分の2以上の保護者が賛成しています。

 

一般教員の賛成がもっとも多かったのは、保護者と同じ「複数担任制や少人数による指導を行う」で84.1%、2番目が「将来の職業や生き方についての指導を行う」74.3%、3番目が「地域での体験活動やボランティア活動を行う」72.3%で、いずれも高い支持を得ているようです。

 

ここで、保護者と教員の間の数字の開きが多い項目の上位3項目を見てみましょう。

最も意見の相違が目立ったのは「放課後や土曜日、夏休みなどに補習授業を行う」という項目。実に47.6ポイントもの違いがあります。子どもの学力向上を願う保護者と、責任や実務負担が増す教員の気持ちの温度差かもしれません。

次いで37.5ポイントの開きがある「小学校から英語活動を必修にする」、30.7ポイントの開きがある「年間の授業時間を増やす」にも、子どもの学力向上と教員の負担・責任の増加という、お互いが重視する点の違いがうかがえます。

 「複数担任制」や「少人数による指導」という点で意見の一致を見る、

  保護者と教員

一方、保護者と教員の間にあまり開きのない項目もあります。「複数担任制や少人数による指導を行う」が3.2ポイント差、「ボランティアによる授業サポートを増やす」が3.1ポイント差、「習熟度別の授業を増やす」が3ポイント差と、いずれもわずか。特に「複数担任制や少人数による指導を行う」では、保護者・教員間の開きが少ない他、保護者80.9%、一般教員84.1%と、双方の支持率が高いことも特徴です。

 

ちなみに、「複数担任制や少人数による指導を行う」に見られるような、学校側の支持率が高い項目が、他にもいくつかあります。

「将来の職業や生き方についての指導を行う」は一般教員74.3%・校長・教頭84.8%、「地域での体験活動やボランティア活動を行う」は一般教員72.3%・校長・教頭86.3%と、高い支持率を示しています。一般教員だけでなく、校長・教頭など、学校運営者も高い感心を寄せていることがわかります。この2つはいずれも、主要科目には関係のない項目。学校側は生徒達の学力のみならず、人間性の育成にも高い関心を持っていることが伺えます。

 こんなデータも

この調査では今回ご紹介したデータのほかに、学校教育に期待することや学校評価/人事改革などについて、保護者、教員(一般教員、校長・教頭先生)、教育長など幅広い層を対象に調査しています。
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