Pick UP 教育データ 第26回 学校の先生の残業時間はどのくらい?
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第26回

学校の先生の残業時間はどのくらい?

病院では看護師の数が不足し、バス・トラック業界では生き残り競争が激しいそうです。いずれも現場で働く人々にしわ寄せがきて、超過勤務などが原因とされる事故が後を絶ちません。
では、お子さまが通う学校の勤務実態はどうなっているのでしょうか? 先生方の残業時間や休憩時間は? 今回は、40年ぶりに全国規模で行った「教員勤務実態調査」の結果をご紹介します。 (初出2007/06/13:教育情報サイト)

公立の小・中学校の先生は、地方公務員として勤務時間や給与体系が定められており、規定の勤務時間は一般に8時間45分(45分の休憩時間を含む)となっています。
下の【表1】は、その勤務時間を超えた業務時間が1カ月でどれだけあったかを調べた結果です。

【表1】 勤務日の残業時間量と持帰り時間量(小・中学校、7月)

表1
出典:「教員勤務実態調査」東京大学(ベネッセ教育研究開発センターが調査を受託、2006年)

小学校を例に見ると、1日あたりの平均残業時間は1時間49分です。これに、自宅などの学校外で業務を行った「持ち帰り」時間を加えると、2時間37分となります。
規定の勤務時間(8時間45分)との合計は11時間22分で、たとえば朝8時から夜7時半ごろまで働いていることになります。

 月50時間残業しても手当はゼロ

実は、公立の小・中学校の先生がどんなに長時間残業しても、いわゆる残業手当は支給されません。その代わりに、給料の4%分が一律に上乗せして支給されています(【図1】)。

【図1】 教員給与の構成

図1
出典:「教員勤務実態調査」東京大学(ベネッセ教育研究開発センターが調査を受託、2006年)

たとえば、40歳の教員の給与が約40万円とすると、そのうち上乗せ金額に相当するのは約1万6,000円です。つまり、仮に始業時間ぎりぎりに来て17時になったらすぐ帰る先生も1万6,000円「余分に」もらっていて、朝は読書の指導、夜は翌日の授業準備と遅くまでがんばり、月40、50時間残業している先生も同じく1万6,000円を上乗せしてもらっているのです。

このような一律の上乗せ方式をとっているのは、教員の時間外業務が、私的なものと明確に分けることが難しいからとされています。また、上乗せ支給されている金額が平均的な残業時間の量(【表1】参照)に見合っているか、という問題もあり、現在の支給方式にはデメリットがあることがわかります。

多くの先生方は、いかに良い授業をするか日々努力しています。その努力や成果がきちんと認められて、次の日も前向きな気持ちで子どもたちと向き合える、そんな評価の仕組みづくりが必要でしょう。とはいえ、義務教育にかける予算は削減される方向にあります。子どもたちの教育に関わる一人として、また予算の源である税金を払っている一人として、どこにどれだけ教育費を使うのが良いのか、改めて考えてみたいですね。

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