Pick UP 教育データ 第31回 子どもたちは「能動的な勉強」「グループでする勉強」が苦手?
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Pick UP教育データ

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第31回

子どもたちは「能動的な勉強」「グループでする勉強」が苦手?

最近、学校ではいろいろな形で勉強する授業…たとえば、パソコンを使った授業、グループで取り組む授業、調べたことを発表する授業などが行われるようになっています。
こうした授業を子どもたちは、どのように受け止めているのでしょうか。そこから、どのようなことがわかるのでしょうか。 今回は、学校での勉強方法について考えてみたいと思います。 (初出2007/11/21:教育情報サイト)

 中学生、高校生になるに従って「能動的な勉強」が好きな子どもが減っていく

Benesse 教育研究開発センターが実施した学習基本調査のなかから、小中高校生に対して、学校でのいろいろな勉強方法についてどの程度好きかを聞いた結果を紹介します。次のグラフは、小学生、中学生、高校生別に、各勉強方法に対して「とても好き」「好き」と答えた割合の合計を示しています。

【図1】 好きな学校の勉強方法(小学生・中学生・高校生別)】

図1
※数値は「とても好き」「好き」の合計、※高校生は普通高校の生徒。
出典:「第4回学習基本調査」(2007 ベネッセ教育研究開発センター)

全体の傾向として、小学生、中学生、高校生と上の学校段階になるに従って、ほとんどの勉強方法について「好き」と答える子どもの割合が減っていきます。

そのなかで、「先生が黒板を使いながら教えてくれる授業」だけは割合が減っていません(小学生82.7%→高校生82.9%)。また、「ドリルやプリントを使ってする授業」も「好き」の割合が減っているとはいえ、1割強にとどまっています(小学生66.2%→高校生55.7%)。

これに対して、小学生と高校生の間で差が大きい(大きく減っている)勉強方法を見ると、「自分たちでテーマや調べ方を決めてする授業」(39.5ポイント)、「パソコンを使ってする勉強」(38.8ポイント)、「グループで何かを考えたり調べたりする授業」(33.5ポイント)、「学校外のいろいろな場所に行ってする授業や調査」(33.1ポイント)、「考えたり調べたりしたことをいろいろ工夫して発表すること」(27.9ポイント)となっています。
 ※( )内の数字は小学生と高校生の割合の差

ここで見られる差は、小学校、中学校、高校で、そうした授業がどの程度行われているかも影響している可能性があります。たとえば、「パソコンを使ってする授業」などは、そもそも高校ではあまり行われていないのかもしれません。
しかし、「黒板を使った授業」や「ドリルやプリントを使った授業」を「好き」と答えた割合が小学生と高校生で差が少ないことを考えあわせると、総じて、上の学校段階に進むに従って『自分で考えたり、調べたり、発表したりする勉強』よりも『教えてもらう、一人で取り組む勉強』のほうを好む傾向が強くなるようです。

こうした傾向は、高校入試や大学入試といった直前の課題だけを意識するのであれば、あまり問題ではないかもしれません。しかし、勉強(学習)を生涯を通じて行うものと捉えるのであれば、大きな課題と考えられます。
受動的な姿勢を身に付けてしまうと、大学に入ったあとや学校を卒業して社会に出たときに苦労することになります。そこでは、主体性や能動性、人と協力して課題を解決することなどが求められるからです。
皆さまは、ご自身のお子さまや周囲の子どもたちの様子を見ていて、どのようなことを感じておられるでしょうか。ご紹介したデータは、皆さまが感じていらっしゃることと符合するでしょうか。ぜひ、お声をお寄せください。

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