Pick UP 教育データ 第35回 教育に対する不安が高まり、保護者の子どもへの関与が強まっている
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Pick UP教育データ

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編集部おすすめの情報をセレクトしてご紹介します

第35回

教育に対する不安が高まり、
保護者の子どもへの関与が強まっている

今月(2008(平成20)年3月)に発表した「第3回子育て生活基本調査」(ベネッセ教育研究開発センター)では、ここ約9年(1998(平成10)年と2007(同19)年)での保護者の子育てに関する意識の変化を見ることができます。今回はその中から、9年間で変化が見られ、その変化の背景に日本の教育の現状が大きく影響していると思われるデータを取り上げます。  (初出2008/3/25:教育情報サイト)

 「世間の流れに乗り遅れないように」「子どものすることは親が決める」
  と考える保護者が増えた?

第3回子育て生活基本調査は、小学3年生から中学3年生のお子さまをお持ちの保護者のかたを対象にした調査です。子育てに関するいろいろな実態や意識について聞いています。
図1は、家庭での子どものしつけや教育について、次のようなことがどのくらいあてはまるか、いわば家庭での教育方針について聞いた結果を示しています。数値は、「とてもあてはまる」「まああてはまる」を足したものです。

【図1】 あなたのご家庭ではお子さまのしつけや教育について、
次のようなことがどのくらいあてはまりますか



図1
出典:「第3回子育て生活基本調査」(2007 ベネッセ教育研究開発センター)
の上の三つの項目は、1998(平成10)年と2007(同19)年ともに「あてはまる」とする保護者のかたが多いことがわかります。2007(平成19)年の割合を見ると「子どもがどういう友達とつきあっているかを知るようにしている」94.6%、「子どものしつけや教育については夫婦で考えている」77.6%、「教育に必要なお金はかけるようにしている」76.3%となっています。こうした保護者の教育方針はいつの時代でも共通しているのかもしれません。

それに続く項目は、どれも9年前との比較で約9〜11ポイント割合が変化しています。増えたのは、変化の割合が大きい順に「子どもがすることを親が決めたり、手伝ったりすることがある」「親子で意見が違うとき、親の意見を優先させている」「子どもの将来を考えると、習い事や塾に通わせないと不安である」「子どもの教育・進学面では世間一般の流れに乗り遅れないようにしている」といった項目です。また、「勉強のことは口出しせず、子どもにまかせている」は9ポイント程度、減りました。どの項目も50%前後の割合ですので、こうした点については、家庭の教育方針が半分程度に分かれているとも言えます。
つまり、「9年前と比べて、お子さまの教育や将来に対して不安に感じているかたがやや増加し、ちょうど半数を超えつつある。同時にお子さまに関わる度合いを強めている」と言えそうです。

こうした変化の背景にはどのようなことが考えられるのでしょうか。一つは、この数年、ニュースで流れるさまざまな教育の動きが、子どもの教育、特に学力や将来に対する不安を高めることにつながっている可能性があります。加えて、たとえば学校選択制や公立中高一貫校の拡大などに代表されるように、保護者と子どもに対して早い学年段階からの選択肢が用意されつつあります。早い時期に進路選択をするのであれば、保護者が関与せざるを得ないのが現実でしょう。さらに、学力や進路といった面だけでなく、たとえば子どもを巻き込んだ事件が頻繁に報道されるようになったことなども、保護者の関与を強める方向に作用しているのかもしれません。

保護者が、教育の動きに関心を寄せ、できるだけのことを子どもにしてあげたいと願うのは当然のことです。しかし新しい動きの中には、一時的なことや、その時の流行であっても自分の家庭や子どもには適さないこともあります。そうしたことを見極める力が保護者として求められる時代になったと言えるかもしれません。

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