教育フォーカス

 

【特集15】アクティブ・ラーニングを活用した指導と評価研究
 ~授業レポート~

[特別編:3] 主体的な学びを促す指導をアクティブ・ラーニングの視点から考える(座談会2 前編)  [2/4]

自己肯定感を持たせることが、主体的な学びの出発点となる

佐々木:生徒に自己肯定感を持たせることは、とても大切だと思います。自己肯定感が低い生徒は、なかなか自分からは動こうとしません。

片岡:自己肯定感につながると思いますが、私が「よい授業だな」と感じるのは、教師が生徒を認めて、対話型の学びが成立している授業です。本校は総合学科のため、少人数の授業が多く、教師も生徒と一緒にグループ学習に加わり、生徒たちをけん引しながら課題に取り組むことが求められます。その後、まとめや評価の場面では、指導者の立場に戻りますが、そうした対話型の授業を通して、「自分の発言が認められた」「自分の意見で活動がよりよくなった」といった思いを生徒に感じさせることを心がけています。
 総合学科の授業における特長は、学習の成果を形にしやすいということです。花を栽培して公共施設に植える、高齢者施設でボランティアをするなど、作品として残ったり、地域の人に喜ばれたりする経験があると、自分が何を学んだのかを振り返りやすくなると思います。
 また、本校では、生徒が学びの達成感を持てるよう、資格取得の指導にも力を入れています。「語彙・読解力検定」などを受検する生徒も多く、「やったらできた」という実感となり、次の学びへとつながっています。また、履歴書に記す資格があることが、就職面接時のアピールにもなっています。

石塚武志先生

石塚武志先生 

石塚:生徒指導の観点からは、授業に入る前に「机の上の物を片付けよう」「服装や姿勢を正そう」など生徒の様子に応じて声をかけると、生徒と教師の間に信頼感のようなものが生まれて、授業中に分からないことなどを質問する生徒が増えるということがありました。どんなによいプリントや発問を工夫しても、生徒と気持ちが通じ合わなければ教師からの一方通行です。授業の中身の前に環境づくりということも大切だと感じます。


 
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