教育フォーカス

【特集22】新しい時代の"チーム育児"を考える〜乳幼児の生活と発達に関する縦断研究より〜

 【まとめ】 

    互恵的な関係の中で子育てをすることの意義/秋田喜代美

秋田喜代美●あきた・きよみ

東京大学大学院教育学研究科教授、研究科長。東京大学大学院教育学研究科博士課程修了。博士(教育学)。東京大学教育学部助手などを経て、現職。専門は、保育学・発達心理学・教育心理学・教師教育。著書に、『新保育の心もち』(ひかりのくに)などがある。

秋田喜代美

「チーム育児」では、夫婦という最小チームから子育ての輪を広げ、大きなチームへ発展させることが重要になります。そこで欠かせないのが、多様な子育てコミュニティの形成です。

コミュニティという言葉は、「わかち合い」を意味するラテン語「コミュニス」に由来します。コミュニティの基本は「わかち合い」であり、サービスを提供し、それに対する報酬をもらう関係ではなく、互いに必要なものを贈り合い補い合う関係によって成り立ちます。そのため、コミュニティの構成者全員が同じ支援をする必要はありません。構成者一人ひとりが自分の良さや強みを生かし、多様な支援を実現できることこそが、子育てコミュニティの真価なのです。

そうしたコミュニティとの連携によって、子育てがいかに充実していくのか、今後の本調査の結果に注目しています。


<編集部>

今回のシンポジウムは、2時間にわたって行われました。「子育ては誰のものなのか」「人類は本来、どのような子育てをしていたのか」といった、子育ての根幹にかかわる問いも示される中、夫婦が力を合わせたり、多様な子育てコミュニティの支援を受けたりすることで、子育てがどのように変化していくのかを見ていきました。

本調査は、今後もデータの分析を進め、その成果を発信していきます。ご期待ください。

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