教育フォーカス

【特集33】大学教職員向けウェビナー「大学生の主体的な学びを促す授業・環境のデザイン」開催リポート

報告3 生徒自身が責任を持ち、外部人材との対話の場をつくる

後田康蔵

長崎県立諫早高等学校・付属中学校 指導教諭
後田康蔵

教職25年。現任校では、進路指導主事を5年間、教務主任を2年間担当。進学指導にとどまらないキャリア教育の充実をライフワークとし、現在は探究学習の普及に尽力している。

 主体性を育むためには、生徒が自分自身にどれだけ責任を負えるかが重要だと、私は考えています。本校には、よい意味でとがった生徒がいますが、高校としては、大多数の平均的な生徒の成長を保証しなければなりません。そこで本校では、①自治、②主体性と対話、③個性とともに進化する学校、の3つを基盤に様々な活動に取り組んでいます。
 その一例が、「グローバル講演会」と「ワールドカフェ」です。どちらも、ゲストの人選から登壇の交渉、当日のプログラム立案、運営まで、すべてを生徒が行います。まず、生徒がテーマを設定して、それにふさわしいゲストを人選し、全校生徒の前でプレゼンテーションします。コンペに勝った生徒は総監督となり、チームを組み、ゲストへの連絡・登壇交渉、そして当日、すべてをアテンドします。
 「ワールドカフェ」は本校最大の行事(図3)で、これを運営したくて本校に入学する生徒は少なくありません。今年度は、私もマンガを素材として「社会におけるフィクションの価値」について話し合う企画を提案する予定です。
 今後の課題は、行事を楽しむだけではなく、日常の授業を生徒の主体性を引き出すような楽しい場にすることです。集団の中で個性を磨き、進学先の大学で変化を起こせるような人材が輩出できるようにしたいと考えています。

【図3】ワールドカフェの様子 クリックで拡大します

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 教育フォーカス【特集33】