かつて、探究活動は、意識が高い一部の人々による取り組みでしたが、今や高校教育全体を動かしています。2022年度の高校1年生の時間割を見ると、「探究」を冠した科目が7つもあり、いかに高校現場で重視されているかがわかります。
大学では、こうした動きを受けて、高校生の探究活動を評価しています。大阪大学は、高校時代に探究経験のある学生は、大学入学後の伸びが高いというデータを発表しています。東北大学は、総合型選抜の募集人員が30%を超えるなど、旧帝大が率先して探究する受験生を求めています。
桜美林大学では、2021年度から、探究の経験を評価する「探究入試Spiral」を行っています。少子化の流れの中で、ポテンシャルの高い高校生に本学を選んでもらおうと、「探究する高校生を待っている」というメッセージを強く出した入試方式です。大学が受け身的に入学者を待つのではなく、大学生メンターが高校生の探究活動をサポートする「ディスカバ!」も始めました。参加者は2万人に達しており、これまでにない高大連携ニーズの高まりを感じています(図6)。
大学は最大限に高校生を応援しますが、大切なのは正解のない問いに立ち向かう高校生、大学生の意欲です。主体性を育む環境を実現するにはどうしたらいいのか、皆さんと一緒に考えたいと思います。
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