教育フォーカス

【特集33】大学教職員向けウェビナー「大学生の主体的な学びを促す授業・環境のデザイン」開催リポート

報告5 大学は、高校の探究活動をどう評価しているのか

今村亮

桜美林大学 入学部 高大連携コーディネーター
今村亮

株式会社Discovery Studio代表取締役。印刷会社勤務を経て、認定NPO法人カタリバに入職、多数の教育事業創出を手がける。2019年に独立。桜美林大学と「ディスカバ!」を立ち上げた後、東京都の創業支援事業に選出され2020年に法人設立。文京区青少年プラザb-lab館長、文部科学省熟議協働員、岐阜県教育ビジョン検討委員会委員を歴任。現在、慶應義塾大学非常勤講師、NPOカタリバパートナー、中野区区民公益活動推進協議会委員を兼務。

 かつて、探究活動は、意識が高い一部の人々による取り組みでしたが、今や高校教育全体を動かしています。2022年度の高校1年生の時間割を見ると、「探究」を冠した科目が7つもあり、いかに高校現場で重視されているかがわかります。
 大学では、こうした動きを受けて、高校生の探究活動を評価しています。大阪大学は、高校時代に探究経験のある学生は、大学入学後の伸びが高いというデータを発表しています。東北大学は、総合型選抜の募集人員が30%を超えるなど、旧帝大が率先して探究する受験生を求めています。
 桜美林大学では、2021年度から、探究の経験を評価する「探究入試Spiral」を行っています。少子化の流れの中で、ポテンシャルの高い高校生に本学を選んでもらおうと、「探究する高校生を待っている」というメッセージを強く出した入試方式です。大学が受け身的に入学者を待つのではなく、大学生メンターが高校生の探究活動をサポートする「ディスカバ!」も始めました。参加者は2万人に達しており、これまでにない高大連携ニーズの高まりを感じています(図6)。
 大学は最大限に高校生を応援しますが、大切なのは正解のない問いに立ち向かう高校生、大学生の意欲です。主体性を育む環境を実現するにはどうしたらいいのか、皆さんと一緒に考えたいと思います。

【図6】「ディスカバ!」プログラム クリックで拡大します

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