ベネッセ教育総合研究所の調査結果を見て、自分からやりたいことを探す積極的な大学生が3割(図7)しかいないことに課題を感じています。
ただし、主体性を伸ばすために、探究活動だけに着目するのも問題だと思います。全体のシステムや目指すべき資質・能力など、ゴール設定まで含めて考える必要があるでしょう。
2021年4月、武蔵野大学がアントレプレナーシップ学部を立ち上げた背景には、そうした課題意識があります。アントレプレナーシップは、起業家精神を意味する言葉ですが、本学部では、「高い志と倫理観に基づき、失敗を恐れずに踏み出し、新たな価値を創造していくマインド」と定義し、すべての人が持つべき資質だと考えています。
本学部の最大の特長は、現役実務家による実践中心のカリキュラム(図8)と、1年次で必須の寮生活です。実際に社会で実践しなければ、学びは身につかないというのが私の持論です。やってみて、言葉にして、どういった意味があるかを仲間とともに考え、もう1度トライしてみるといった繰り返ししか、成長するすべはありません。
そうした実践を積み重ねるうちに、学生も教員も「人の夢を笑わない」という雰囲気ができてきました。「どうせ無理」と言わず、「自分はこうしたい」と口にできる環境が、実践を促す上で大切だと、改めて感じています。
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