それでは、こうした母親の習い事経験は、子どもの活動選択にどのような影響を与えているのだろうか。この点を確認するために、母親自身のスポーツ系習い事の経験の有無別に、子どものスポーツ活動の活動率をみたのが図3である。なお、ここでは、小学生の子どもにケースを限定し、母親が小学校のときに経験していたかどうかで活動率が異なるかを確認した。これとまったく同じ計算を、母親の文化的習い事の経験別に芸術活動の活動率について行ったのが、図4である。いずれも、子どもの性別を分けて数値を算出した。
図3からは、おおよそ次のようなことがわかる。
では、系術活動についてはどうだろうか。図4を見ると、性別による違いの表われ方はスポーツ活動と反対であるが、似たような傾向があることがわかる。
検定の結果、母親の経験による差はいずれも有意であり、スポーツを習っていた母親は自分の子どもにもスポーツを、文化的な習い事をしていた母親は自分の子どもにも芸術活動をさせる傾向が見られた。自分がやっていたこととまったく同じ活動を選択しているかまでは本分析ではわからないものの、少なくとも経験したことと同種の経験をさせようとする意向は働くようだ。この意味で、保護者の経験はある程度、子どもに伝承されるといってよい。
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