シリーズ 未来の学校

軽井沢の豊かな自然と多様性の中で、変革を起こせるリーダーを育てる

未来を生きる子どもたちは何をどう学ぶべきなのか
そこで大きな役割を果たす学校はどうあるべきなのか
「未来」といっても決して空想や夢物語ではない、実は
もう始まっている先端的な意味での未来の学校を探訪します。

【前編】 ISAKサマースクール2013から考える、グローバルリーダー教育の今 [1/4]

いま話題のISAKに行った。ISAKとは、小林りん氏が代表を務めるInternational School of Asia, Karuizawaの略で、通称ISAK(アイザック)。 来年2014年8月に開校する、グローバル社会で変革を起こせる人材を育てることを使命とした、日本初の全寮制のインターナショナルスクールだ。

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今回、ベネッセ教育総合研究所取材班は日本国内で起こりつつあるグローバル人材育成の最新トレンドの一端を取材するため、ISAKのサマースクールに1日密着した。その様子を前後編の2回に分けて詳しくレポートする。

 21世紀のアジアを担う人材を

軽井沢千ヶ滝エリア。古くから人々を魅了してやまないリゾート地帯。その一角、浅間山のパノラマが眼前に広がるあさまテラスにこの夏、教育界はもちろんマスコミ、経済界などからも多くの人が訪れた学校がある。

International School of Asia, Karuizawa(通称ISAK)。日本で初めての全寮制インターナショナルスクールとして来年9月に開校する予定の高校だ。

ISAKが各界から注目を浴びている理由は、軽井沢という場所にインターナショナルスクールができるということだけではない。その理由は、むしろ、教育理念とその実践プロセスにある。

ISAKの教育理念とは、「各分野で次世代をリードできる子どもたちの育成を目指す」ことにある。ただし、リーダーとは、必ずしも大企業の社長や政治家などだけを指しているのでない。自分の周辺からたとえ小さくても変革を起こせる人間を育てることだ。そのため学問と同時に、リーダーシップ、創造性、チームワーク、教養を学べるようなプログラムが実施される。

同校の入学対象学生は高校生の男女で、生徒の半数以上はアジア太平洋地域の海外留学生であり、募集規模は各学年50人、2014年9月に全寮制として開校を予定している。

国際バカロレアの導入を予定

 ISAKでは国際社会のリーダーを育成するために、授業は「日本語」の授業以外すべて英語で行われる。さらに卒業資格として、国際バカロレア(以下IB)の高校教育に相当するディプロマプログラム(以下、DP)の導入を予定している。DP課程を修了すれば、世界の有力大学の受験または入学資格を取得できるようになる。

また、これまでインターナショナルハイスクールの多くは専修学校や各種学校と同じ扱いだったため高校卒業の資格は得られなかったが、ISAKは学校教育法の第一条に規定される、いわゆる「一条校」として認可される予定なので日本の高校卒業資格も取得できることになる。

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