グローバル教育研究室

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中1生が英単語をローマ字読みしないために

2015年04月15日 掲載
 グロ―バル教育研究室 室長 加藤由美子

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春です。新年度がスタートしました。本年度もどうぞよろしくお願いいたします。

一昔前であれば、ほとんどの子どもが英語に出合い、学習をスタートするのは、中学1年生の春でした。中学に進学し、初めての英語の授業に、わくわくドキドキしたり、アルファベットの文字を筆記体で書くのが嬉しかったりしたことを懐かしく思い出します。

現在は、外国語(英語)活動が小学5・6年生で行われ、私立幼稚園や認定こども園の5割以上で、通常の時間内に英語の活動があります*1。それ以外に習いごとなどでも英語に触れる機会を持ち、英語の音声に慣れ親しんでいる子どももたくさんいます。中学入学前に子どもたちが英語の音に慣れ親しんでいることをうまく活かすためにも、中学1年生の英語の教科書の冒頭には、英語の「音」と「文字」の関係に興味・関心を高めさせるためのページが用意されています。しかし、そのページを学習するだけでは、生徒がどの単語を見ても、英語らしく発音できるようになるわけではなく、makeという単語を「マケ」と読んでしまうような事例は、現場の先生方からもよく聞かれます。

このような課題を解決する1つの提案として、「中1生が英単語をローマ字読みしないために」 というタイトルで、白鷗高等学校附属中学校の小川登子先生がARCLE*2ウェブサイトにコラムを執筆してくださいました。英語を見て英語らしい音声で読めるようになるには、英語をたくさん聞くこと・話すこと、意味のわかった英文を声に出して読むことなどはもちろん必要ですが、このコラムでは、それらと並行して、英語の「音」と「文字」に注目させて、地道に繰り返しながら積み上げていく指導について、「指導者が大切にしたい考え」と中学1年生への実践事例をご紹介いただいています。中学校の先生だけでなく、小学生を指導されている先生方にも、お役に立つ内容だと思います。ぜひご一読ください。 

ARCLEウェブサイトには、小川先生のコラムと同時に、上智大学・ベネッセ英語教育シンポジウム2014(報告)「子どもたちの未来を豊かにする英語教育とは?」-『中高生の英語学習に関する実態調査2014』から考える課題と指導実践のあり方-」*3 、ARCLE REVIEW Vol.9(研究紀要第9号)も新しくアップされています。併せてご覧ください。 

*1 ベネッセ教育総合研究所「幼児教育・保育についての基本調査」(2012年) 
*2 ARCLE(ア―クル)とはベネッセ教育総合研究所が運営する英語教育研究会です。
*3 シンポジウム当日の発表資料やコメントなどは「上智大学・ベネッセ英語教育シンポジウム2014報告(中間報告)」でご覧いただけます。

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