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中学版 企画室より

特集「家庭学習指導」における
その他の取り組み事例

2015年03月31日 掲載
『VIEW21』中学版 編集長 草場 隆志

関連タグ: 学校経営 授業研究 家庭学習 教科指導 学習意欲 小中連携・小中一貫

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『VIEW21 中学版』2014年度Vol.3では、「学びの質を高める家庭学習指導」を特集しましたが、読者モニターの先生方からも、家庭学習指導に対する様々な工夫をお寄せいただきましたので、ご紹介していきます。

★「自主学習ノート」の工夫

1人に2冊ノートを持たせ、交互に提出させる。生徒は毎日取り組め、教師は次の日までにノートを見ればよい。(兵庫県Y中学校/Y・T)

●「自習学習○○ページ達成」という目標を生徒にもたせ、取り組んでいる。また出来ていない生徒には、昼休みに学年団の教員がつき、対応している。(埼玉県F中学校/K・Y)

●自学ノートを1日1ページノルマとして課しているが、より積極的な取り組みとなるよう、学期毎に「工夫したノートの表彰」「最多ノート取組生徒の表彰」をしている。(島根県K中学校/T・Y)

●「宅習ノート」のコンテストを毎週実施し、優秀ノートはコピーして校内掲示。名前は出さなかったが、月2回以上掲示された人は「宅習名人」として月一回表彰した。(鹿児島県T中学校/S・M)

●「自主勉ノート」を形骸化させず、生徒に「やった甲斐がある」と思わせるために、その日の授業で初めて知ったこと、板書事項で分からなかったことなどを書かせ、それについての生徒の考えも書かせた。提出分については、できるだけコメントを返すとともに疑問については解決を図れるよう、教科担任の力を借りた。(青森県H中学校/K・K)



★予習の工夫

●予習の仕方をしっかりと指導し実践させる。「なぜ予習が必要なのか、予習してきたことが授業でどう生きてくるのか」を生徒たちに理解させ実践してきた。(愛媛県T中学校/O・Y)

●授業の始めに予習してきた“課題(わからなかったこと)”を黒板に書かせる。課題意識(予習的課題)を持たせ、授業のスタートに意欲を持たせる。生徒の課題の準備こそ、思考回路の活性化の始まり。(岩手県K中学校/N・T)

●授業に興味をもたせる意味で、次の授業内容や問題などを提示し、家庭学習が必要な生徒に取り組ませた。(宮城県D中学校/I・H)

●予習を原則として、その学びを生徒に発表させる形で授業展開をしていく工夫を行った。(滋賀県H中学校/Y・H)

理科の実験準備(方法論)を家庭でさせ、授業は本人の思うような実験をさせた。レポートも含め、高い意欲が継続した。(福岡県H中学校/K・Y)

家庭学習を想定した授業を構成し、家庭学習をしてきたことを生かした授業構成にする(授業と家庭学習をリンクさせる)ことで、自学の質は向上する。(新潟県D中学校/I・K)

授業の最後に課題を提示し、その答え合わせからするようにしている。その課題を特定の生徒に当てるのではなく、課題の連絡時に挙手させている。子どもにとっては、すぐには答えられないが、次の日だったらという想いがあるようだ。書かせるだけでなく、しっかり褒めることも必要。(長崎県Y中学校/T・A)

★復習の工夫

●前時の復習を、キーワード3つを用いて1分以内で説明させるのは効果があった。聞いている生徒に指名してキーワードを確認させると全員に復習が徹底される。また自ら学ばせるためには、自ら課題設定をさせることが重要。生徒が学習課題、学習目標、学習方法を設定して学ぶ「複線化授業」が効果的だった。(滋賀県O中学校/T・M)

●授業の最初の数分間は、机上に何も置かないようにさせ、生徒に前時の授業内容について質問する。また自宅で自主的に勉強したことを学校で報告させ(やったことを提示もさせる)、個別に評価(ポイント加点)する。(東京都K中学校/W・H)

●その日の授業内容を簡単にまとめさせる振り返りシートやワークシートに、授業内容に関連した質問を2~3掲載したものを家庭学習や自習に使用している。(東京都O中学校/A・T)

●数学科では、学校で学習した内容をさらに深く追求させる(どうしてそうなるのか、別の方法はないのか)など、思考力を問う課題にした。計算練習などの全員に確実に行って欲しい内容は、朝の時間や授業の最初や最後など、目の届く学校で行わせるようにした。(北海道H中学校/O・H)

●漢字を1日10字覚える。1年で360×10=3600字。英単語は1日5語、1年で1800語。やってみよう!でやってみた!(宮城県S中学校/I・M)

★テストの活用

●小テスト前に出題の内容のヒントを出し、調べさえすれば満点が取れるようにし、意欲的に取り組ませている。(東京都S中学校/M・Y)

●システム化された段階的な達成度テストを実施していくことにより、自学自習を促すことができる。(東京都H中学校/K・Y)

●やればできるの体験として、漢字コンテスト、計算力コンテスト、スペリングコンテストを実施した。(東京都M中学校/I・S)

●考査返却時に「考査直し」と呼んでいる、誤答についての復習シートを活用。考査を受けっ放しにせず、誤った問題をそのままにしない指導を行っている。(兵庫県K中学校/T・S)

★その他

●実験レポートを、青天井の評価(満点なしの点数)にし、評定全体の2割以上に重みづけすると公表。自分の考えを工夫してわかりやすく、伝えるレポートづくりを点数化した。(福島県S中学校/K・T)

●チェックシート(自学をどのくらい取り組んだか)の工夫として、取り組んだ時間分を色で塗り、完成できる絵となる。(東京都S中学校/O・H)

●「自学の手引き」には、教科ごとに毎回10分程度でできる、予習課題や復習課題などの課題例を載せた。(島根県M中学校/H・M)

生徒一人ひとりの考えを記入した座席表を生徒に公開することで、課題意識や疑問、質問したいことがそれぞれの生徒に出てきて、自学自習を進めるエネルギーになった。(長野県I中学校/K・Y)

●自学自習では「自律」が柱となる。自律心を育むには、今の社会、これからの社会が「共生」であることを理解させ、「体験」を通じて育成していくことしかないと思われる。また校内検定を実施し、外部の検定につなぐことも有効。(千葉県K中学校/S・T)

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