ビッグデータを活用した教育研究の取り組み

データ分析からの知見

 

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岐阜市教育委員会・ベネッセ教育総合研究所 共同研究プロジェクト
「タブレット教材を活用した学習記録の可視化&フィードバック研究」最終成果報告
~平成30年度・岐阜市の学校教育公表会より~

 

ベネッセ教育総合研究所は、岐阜市教育委員会の協力の下、2016年度から、タブレット教材を活用した共同研究プロジェクトを推進してきた。2018年度は、本共同研究プロジェクトの最終年度にあたる。2019年1月12日(土)、3年間にわたる研究成果を、岐阜市教育委員会主催の学校教育公表会で報告した。最初に、ベネッセ教育総合研究所所長・谷山和成が登壇し、エビデンスに基づいて指導と学びの質を高めることの重要性を強調。「エビデンスは、生徒の学習意欲と学力の向上にとって欠かせないものであり、先生方が自信を持って教育改革に取り組んでいくためのバックボーンにもなり得る」と述べた。報告の流れ(図1)に沿って、当日の模様を紹介する。

「コンパスキューブ」と岐阜市の課題

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研究の目的と方法

学習意欲・基礎学力の向上を目的に「学びのプロセス」を可視化
フィードバックを通して教員の指導・生徒の学びの進化を支援

ベネッセ教育総合研究所 初等中等教育研究室
主任研究員 中垣眞紀

中垣眞紀学習記録を可視化しフィードバックすることで学習行動の改善を目指す

生徒の基礎学力の向上には、家庭学習の習慣が欠かせませんが、教員の目が届きにくいのが実態です。宿題を「やったかどうか」の確認はできても、取り組みの質まで把握して指導することは容易なことではありません。本研究では、見えにくい生徒の自学自習を、タブレット教材から得られる膨大な学習記録データから可視化し、教員と生徒それぞれにフィードバックをしました。それによって、教員は自らの指導を振り返ったり、生徒は自らの学習行動を見直すきっかけにしたりすることにより、教員の指導を変え、生徒の学習意欲と基礎学力を上げることを目指しました(図2)。教材には、国語・数学・英語・社会・理科の5教科の学習コンテンツが含まれます。音声や映像などで理解を進める「講義」、自動採点と解答・解説で進める「演習」とで構成され、間違えた問題を解き直す機能等を備えています。2016年度は岐阜市立藍川中学校と同市立三輪中学校の2年生約250名を対象としました。2017・18年度は藍川中学校と同市立岐阜西中学校の協力の下、2年生約300名を3年生になるまでの2か年にわたって追跡し、学校と家庭で教材を活用してもらいました。

「コンパスキューブ」と岐阜市の課題

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可視化の方法やフィードバックの内容を試行錯誤しながら開発

このタブレット教材で学習を進めると、「学習に取り組んだ時刻」「学習内容」「学習量」「問題の正誤」「取り組み回数」などの情報が客観的なデータとして蓄積されます。つまり、できたかどうかの結果だけではなく、考えて解答したのか、間違った問題を解き直しているのかなど、今までは見えなかった学習のプロセスが見えてきます。例えば、クラス全体で正答率が低い問題や、個々の生徒の努力の様子などがわかります。これらを分かりやすく可視化し、先生方にお戻しすることで、次の授業に生かしてもらったり、生徒を認め・ほめる材料にしてもらったりしました。また同時に、生徒一人ひとりにも1~数か月に1回程度のペースで学習記録をフィードバックし、自らの学習を振り返るきっかけにしてもらいました。しかし、教員にも生徒にも、大量のデータをそのまま渡しただけでは負荷が大きく、その活用は進みません。フィードバックの内容やタイミング、返却の仕方などについて、各校の先生方と検討を重ねたり、生徒からの声・意見を聞いて試してみたりと、常にレベルの向上を図りました。その結果、生徒の学習意欲を高め、望ましい学習行動が促されることにつながっていったのです。


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実践報告① 岐阜西中学校 2年間の取り組みで見えたこと

推進チーム主導で取り組みの定着を図り、
根拠のある認め・励ましを通して生徒の学習意欲を伸ばす

岐阜市立岐阜西中学校 校長 松巾 昭先生

松巾昭先生教員の働きかけの工夫により、主体的に学び始める生徒たち

本校は、2017年度より本研究の実践校となりました。取り組み前の本校の生徒の実態は、自己肯定感が平均よりも低い傾向にあり、家庭学習の習慣が2極化しているといった課題を抱えていました。そのような中で、タブレット教材を活用した本取り組みを行う機会をいただきました。このチャンスをいかし、生徒が教員から認められたり、励まされたり、最後までやり切る達成感を味わうことで、自己肯定感を高められないか。また、家庭学習の習慣を身につけ、学力向上につなげられないかと考えました。ところが、取り組み開始直後は、「タブレットが壊れるのではないか」という教員の心配から、すべてのタブレットを鍵つきの部屋で管理していましたが、実はそのことが活用を阻害している一因でもありました。そこでまず、生徒を定期的に刺激し、学習への意識づけを図ろうと考え、全教科で教材を活用する「タブレット強化週間」を設けました。さらに、夏休み明けの実力テストの範囲の課題をタブレット教材から出すこともしました。活用が進むと生徒の学習記録データが得られます。そこから、生徒一人ひとりの学習の実態を把握し、がんばっていれば認め、課題があれば励ますといった声かけを組織的に強化しました。これによって、次第に学習に意欲的に取り組む生徒が増えていきました。やがて、それぞれが自分のタブレットに所有感をもち、役立つツールであることが実感できたのでしょう。2017年度の後半からは、鍵などは一切かけずに、自由にタブレットが使える環境で学習ができる状態となりました。そうしたなかで、給食の前の配膳中や昼休みに取り組んだり、定期考査前には家庭に持ち帰ったりと、主体的にタブレット教材を活用する生徒が増えていきました。

推進チーム主導による打ち合わせや研修で、教員の指導改善が加速

本校では、各学年の教員から有志を募り、本研究を推進するチームを設けました。そのメンバーが中心になって生徒への意識づけを工夫し、アイデアを形にしていきました。また、全校的な取り組みにできるよう、全教員が参加する打ち合わせと研修を定期的に行いました。例えば、ベネッセ教育総合研究所から届くデータを見ると、生徒の学習状況とその成果がはっきりわかります。ある生徒はなぜ成果が出て、別の生徒はなぜ成果が出ていないのか、成果が出た生徒とそうでない生徒との違いはどこにあるのかを分析しました。そうした中で、学級担任が生徒を認め、励まし、指導を改善するという動きが加速しました。組織的に動くことで、生徒の学習が活性化し、教員たちが「これでやるんだ」という実感を持つことができました。実際、本研究を実践した2年間で、生徒の自己肯定感は向上し、「将来の夢や希望を持っている」「自分にはよいところがある」という生徒が増えました。また、学習意欲も高まり、家庭学習時間が増加しました。5教科の学力も、少しずつですが着実な向上が見られています。学校が生徒の主体性を信じて学ぶ環境を整えていくことで、生徒には「やればできるんだ」という実感、つまり自己効力感が育まれてきたと感じます。学校全体として、しっかり前を向いて歩んでいく雰囲気が醸成された2年間でした。


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実践報告② 藍川中学校 3年間の取り組みで見えたこと

3年間の取り組みを着実に積み重ね、
生徒の自己効力感を育み学力向上を実現

岐阜市立藍川中学校 校長 本多正明先生

本多正明先生まずは数学科の教員を中心とした声かけにより、生徒の意識を前向きに

本校では、2016年度から3年間にわたり、本研究に取り組みました。1年目は、2015年度入学生である2年生を対象にしました。2年生を指導する5教科の教科担任には、タブレット教材を授業で使えるよう工夫してほしいと指示し、また、学級担任には、家庭学習でも使用するよう生徒に指導してほしいと伝えました。ところが、そうした指示・指導だけでは、生徒は思うようにタブレット教材を活用しませんでした。そこで、「毎日10分間の朝活動でタブレット教材を活用して学習する」「家庭では、15分以上タブレット教材を活用して学習する」という学校としての指導方針を設定しました。さらに、検証用に用いた事前の総合学力調査の結果からは、本校の生徒には数学の学力に課題があると指摘されていたこともあり、数学科の教員が一丸となって、データに基づく声かけを強化することにしました。具体的には、教員がフィードバックデータを踏まえ、「あなたの頑張っている取り組みを知っているよ」といった支えの言葉、「やり直して取り組んでいるね」といった認めの言葉を生徒にかけました。すると、着実に生徒の数学の取り組み数が増えていきました。そして、驚いたことに、働きかけを行った数学以外の教科の学習量も、大きく伸びるという現象も起きました。

自ら学びを選び取っていく生徒たちの姿に、教員が驚く

2・3年目は、2016年度入学生である2・3年生を対象としました。2年目は、朝活動と15分以上の家庭学習に加え、5教科の宿題や週末課題などもタブレット教材から出すことにし、教科担任は授業を中心に、学級担任は学級を中心に生徒への認めや励ましを行いました。その結果、生徒の学習量は全教科で著しく増加しました。さらには、間違いに向き合って解き直しに粘り強く取り組んだり、自分の得意・苦手に合わせて問題の取り組み方を模索したりする生徒の姿が目立つようになったのです。3年目は、高校受験の学年であることに配慮し、タブレット学習が大きな負荷とならないよう、宿題や週末課題としては出さず、朝活動でのみ活用する方針としました。さらに、家庭学習では生徒が取り組みたいものに取り組ませるという自由選択にしました。生徒は、学校では昼休みなどのスキマ時間を活用したり、家庭ではベッドの上でリラックスして取り組んだりと、自分に合った取り組み方法の工夫をさらに進化させていました。2018年度の生徒への意識調査の結果では、「努力をすれば、自分もたいていのことはできると思う」「勉強はやればできるという自信がついた」と回答する生徒が増え、学習への自信が着実に高まったと感じています。自分の学び方を自ら選び取るようになった生徒たちの姿を見て、「生徒たちにこんな力があるんだ!」と、教員が気づかされました。3年間の取り組みを積み重ねる中で、生徒は学びに対する自信を着実に育んでいったのだと思います。


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実践報告③ 藍川中学校 教員の学び合いと生徒の変化

教員同士が生徒一人ひとりへの理解を深め、
生徒の学習意欲と確かな学力につながるフィードバックを実現

岐阜市立藍川中学校 3学年主任 小川欣也先生

小川欣也先生生徒の学習課題をデータに基づき把握することで、指導の質を高める

私は、本校における2018年度の実践について報告します。実践報告②で、本多校長が紹介した通り、2018年度は3年生を対象に、毎日10分間の朝活動でタブレット教材を活用しました。ベネッセ教育総合研究所からは、生徒の取り組み状況を分析した教員向けのフィードバック票が定期的に送られてきました(図3)。本校では、学年の指導に関わる全教員が集まり、生徒たちの学びについて議論する場(学年学びの会)があります。その場を活用して、データを基に生徒一人ひとりの取り組み状況を確認しました。学習の量が増えた生徒や減った生徒を確認するだけではなく、できなかった問題を解き直し、確かな力にできているかまで確認したり、教員との関わりの中で垣間見られたちょっとした変化を重ね合わせたりすることで、教員から生徒へのフィードバックをより生徒の実情に合ったものに高めていきました。話し合いの中で、「この子は、タブレット教材の学習量が増え、頑張っている。最近はさまざまな教科で正答率が上がり、伸びてきているな」とか、「この子は、学力が高いのに解き直しをしていない。間違いに向き合いたくないのかもしれない。どんな声かけをしようか」など、生徒一人ひとりについて議論が交わされました。このように、データに基づき教員同士が一人ひとりの生徒を深く洞察することによって、生徒理解が格段に深まったと感じています。

「コンパスキューブ」と岐阜市の課題

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生徒への個別フィードバックを活用し、しっかりし学びを振り返るきっかけに

学びの主体である生徒自身が、しっかり振り返りをする場をつくることにも力を入れました。具体的には、各教科の達成率や週ごとのレッスン量、初回正答率と解き直し正答率が示されたフィードバック票を活用しました(図4)。教員が生徒にフィードバック票を渡す際には、教員は生徒一人ひとりの努力を認め、課題についてアドバイスをしたり、次への期待を示したりするようにしました。フィードバックの返却後、生徒は個人で振り返りをすることに加え、グループのメンバーとも話し合いながら、次の目標を立てることをしました。このように、学習記録データを活用して学びを振り返るきっかけを生徒一人ひとりに与えることによって、生徒は具体的な学習改善につなげやすくなるのではないかと考えたのです。一連の取り組みの成果は、生徒自身の姿に表れました。学習量が増えただけではなく、間違えた問題を解き直したり、効力感を感じたり、自分の学習を振り返り目標に沿ってより良いものに改善していくなど、自ら学習の質を高める生徒が増えたのです。教員が生徒一人ひとりへの理解を深め、心のこもった認めやこれから先を期待する声かけを行ったことで、生徒は自己効力感を抱き、学習に前向きになったのだと考えています。

「コンパスキューブ」と岐阜市の課題

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学習記録データからみた取り組みの成果

3年間の実証研究を通して分かった
生徒の学習意欲と学力が向上した要因とは

ベネッセ教育総合研究所 初等中等教育研究室 主任研究員 岡部悟志

岡部悟志主体性発揮の前提となる、学校・先生方による学びに向かう環境づくり

本研究には、2つの目的がありました。1つは、学習意欲の向上です。2016・2017年度は、いわゆる「中だるみ」しがちな2年生を対象としましたが、そうした時期であっても、生徒は見事に学習量を伸ばしました(図5)。その要因の1つとして、学校・先生方による学びに向かう環境づくりが挙げられます。3つ事例を紹介します(図6)。事例1では、夏休みの課題としてタブレット教材を活用したところ、これをきっかけに学習量が飛躍的に伸びました。また、事例2では、朝学習でタブレット教材に取り組むことにしたところ、生徒の学習量が大幅な伸びを示しました。毎朝10分という短い時間にも関わらず学習量が増えたのは、朝学習以外の時間帯でも学習が増えたためです。事例3は、数学科の先生方が週末課題としてタブレット教材を活用したものです。活動の前後で学習量を比較したところ、数学の学習量が非常に大きく伸びていることはもちろんですが、数学科以外でも学習量が増えました。数学の学習をきっかけに、生徒が他教科の学習にもタブレット教材を活用する、つまり学びの転移が起きたのです。

週刊学習記録表(SP表)の例

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教科別学習量(藍川中・2016年度)

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学習量を押し上げた2つ目の要因は、データに基づく教員から生徒への認めと指導改善の効果です。週単位や月単位で先生方にお渡しした「SP表」(図7)には、生徒一人ひとりについて各問題の正誤だけではなく、どんな問題で間違えやすいのか、どのくらいの時間をかけて解いたのか、間違えた問題を解き直しているか、解き直して正解できたかどうかまで示されています。そして、先生方は結果だけではなく、プロセスも把握した上で、生徒への認めや励ましの声かけを行いました。そのような事実に基づく先生からの認めや声かけが、生徒の学習意欲の向上につながったのだと考えられます。

「コンパスキューブ」と岐阜市の課題

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学びの自己調整サイクルを実体験する中で、着実に学力を高めていく生徒たち

本研究におけるもう1つの目的は、学力向上です。図8の左図は、5教科の記述式学力調査(総合学力調査)の結果を示しています。タブレット教材を活用し始める前の事前の学力分布が青の折れ線、事後の学力分布が赤の折れ線です。学力中下位層では赤の折れ線が右に寄っており、学力向上が確認できます。また、学力上位層は、全体的には大きな変化はなかったものの、詳細に分析すると、しっかりタブレット教材を使って学習した生徒は学力が伸びていたり、高い学力が維持されていたりすることが分かりました。そうした学力向上の要因としては、2つ挙げられます。1つ目は、「解き直し」です(図9の左図)。学年末テストにおける5教科総合得点の全体平均と比べて、タブレット教材での学習量が多い生徒は7ポイント高い傾向にあります。一方、問題を解くだけではなく、解き直しを含めた最終正答数が多い上位者グループを全体平均と比較すると、13ポイントも高くなっています。これは、解きっぱなしにせず、きちんと解き切ることで、学力がさらに伸びることを示すデータです。

週刊学習記録表(SP表)の例

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教科別学習量(藍川中・2016年度)

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学力向上の2つ目の要因は、「自己効力感の醸成」です。実証期間中に生徒へのアンケート調査を複数回行っており、その中で、自己効力感(勉強はやればできるという自信がついた)を尋ねています。それを分析すると、実証期間の中間時点で、自己効力感がついた(勉強はやればできるという自信がついた)と回答した生徒は、事後の学力が有意に伸びていることが分かりました(図9の右図)。つまり、「こうすればできそうだ」という学習に対する将来の見通しが得られた生徒は、主体的に学習したり自分で学びを調整したりできるようになり、結果として、学力が向上したと考えられます。さきほど紹介したSP表をはじめ、生徒一人ひとりの学習プロセスを可視化したフィードバックにより、先生方が生徒の頑張りやつまずきを把握したうえで、認めたり、励ましたりしやすくなりました。加えて、生徒自身も自分の学びを自覚して振り返り、次の目標を立てていく、すなわち、学びの自己調整サイクルを体得していく中で、自己効力感を獲得することにつながったのだと考えられます。


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岐阜市の教育への示唆

岐阜市の学校文化として根づかせたい
学びの「可視化」と「解き直し」

岐阜市教育研究所 主幹 原 浩介

原浩介今回のタブレット教材を活用した共同研究では、大変意義のある成果が得られました。共同研究は2018年度で終了となりますが、会場の先生方には、今後大切にしていただきたい指導のポイントが2つあります(図10)。1つは、学びの「可視化」についてです。今回の研究では、従来は見えていなかった家庭学習における学びのプロセスを可視化することで、生徒の学びと先生方の指導に大きな変化をもたらしました。そこには、SP表をはじめ、ベネッセ教育総合研究所からの学習記録データを活用したフィードバックが大きな役割を果たしました。しかし、日々の指導実践の中でも、生徒のちょっとした変化や成長を逃さずに目を向ける努力をすることは可能であると考えます。このことは、先生方の指導の様々な場面で試みていただきたいと願っています。もう1つは、「解き直し」です。解き直しが学力向上の鍵を握るというのは、今回の研究で得られた重要な知見の1つです。また、「やればできるんだ」という自己効力感と密接に結びついているという面においても、今後、広く生徒に浸透させ定着をさせていきたいところです。ぜひ、自ら間違いに向き合い、解き直すことを頑張る生徒を、大いに認めたり褒めたりしていきましょう。今回の共同研究で分かった、学びの「可視化」と「解き直し」というキーワードが、岐阜市の小中学校の共通言語として、日常的に用いられるようになることを目指し、本日会場にいらっしゃった先生方には学校の取り組みの中で広めていっていただきたいと思います。

 

「コンパスキューブ」と岐阜市の課題

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今回の報告会は、こうして幕を下ろした。タブレット教材を活用して学習プロセスを可視化し、生徒の学習意欲と学力向上を目指した3年間の研究は、様々な試行錯誤を通して、多くの成果を上げた。今回の研究で得られた実践知をいかしていく中で、今後の岐阜市の教育がますます発展していくこと、さらには岐阜市という枠を超えて発展していくことが期待される。

 

 

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