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新しい時代のwell-being 各界で活躍する20代・30代に聞く

 様々な場所で色とりどりに活躍している20代、30代。彼らのインタビューを通して、これからの社会で活躍し、「Well-being」に生きるためのヒントを探っていきます。
 今回は、大手金融会社に勤務するAさんにお話をうかがいました。

自分の選択に自信と責任を持ち
女性として着実に成長できる場所を選ぶ

  • Aさん

    大手金融会社勤務
    1996年生まれ。アメリカで幼少期を過ごし、小学校入学を機に日本に帰国し、東京都で育つ。早稲田大学卒業後、大手金融会社に入社。営業部門を経て、現在は運用部門に所属。

恥ずかしがり屋だった小学校時代
高校時代に自信をつけて大学に進学

 小学校低学年の頃の私はとてもおとなしく、授業中、先生に指名されても、何も発言できないような子でした。幼少期をアメリカで過ごしたため、日本語の読み書きが苦手だったのです。それを友だちにからかわれたことがあり、人前で話すのが苦痛でした。一方、身体を動かすことが大好きで、体操やバレエを習っていました。習い事を通して友だちができるようになると、徐々に自分から人に関われるようになっていきました。

 高校受験の際には、父から将来の選択肢が広がるよう進学校を薦められました。ただ、勉強一色の高校生活は送りたくないと考え、自分の意思で進学校の中でも、学校行事や部活動にも力を入れている高校を受験しました。そうして自分で選んで、入学した高校では、運動部で汗を流し、文化祭の時にはクラスで披露する演劇の脚本づくりに打ち込むなど、充実した日々を過ごしました。

 小さい頃は勉強や習い事などについて、親から口出しされることが多かったです。しかし、高校進学の際には自分で志望校を決め、進学先でよい仲間にも恵まれ、充実した時間を過ごせたことが、私にとって大きな自信になりました。そうした自分を見て、過保護だった母は、私の行動にあまり口出ししなくなりました。

 自分で決めた道でなら頑張れるし、自分には支えてくれる家族がいつもそばにいるという安心感から、少しずつおとなしい自分から脱皮できたと思います。大学では、もっといろいろな人に出会いたいという思いから、多くの学部を擁する早稲田大学に進学することにしました。大学時代には、短期留学やアルバイトにも挑戦。様々な価値観を持つ人と出会えたことで、コミュニケーション能力を磨くことができたと思います。

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結婚・出産後も長く働きたい
女性が働きやすい企業を選ぶ

 大学卒業後、私が就職先に選んだのが現在の会社です。その理由は3つあります。1つ目は、金融業界では目に見える商品を扱っていないため、自分自身の努力や勉強が仕事に直結しやすいと考えたからです。

 2つ目は、女性でも総合職として長く働ける職場であると感じたことです。就職活動を始めた頃から、この思いはとても強く、企業研究で特にこだわった点です。現在勤めている会社には、総合職で活躍している女性が大勢います。就職活動中に女性社員による座談会に参加し、結婚や子育てをしながら働いている方の生の声を聞いて、ここでなら自分も長く勤められると思いました。また、長く勤められるよう、この会社の福利厚生制度や退職金などの制度についても詳しく調べました。

 3つ目は、社風です。同じ業界でも、何社か選考に参加してみると各社の雰囲気が違うことに気づき、自然体でいられると感じた現在の会社を選びました。

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一番苦手な営業部門に配属
お客様との対話にやりがいを見いだす

 入社して最初に配属されたのは、営業部門でした。全く予想していなかったので本当に驚きました。人間関係に恵まれた高校・大学時代のおかげで、コミュニケーションは好きでしたが、営業だけは自分には向いていないと思っていました。ですから、配属当初はだいぶ落ち込みました。

 でも、この会社を選んだのは自分です。「希望通りの配属先でないからといって、すねていてはだめだ。今辞めても、いい転職先は見つからない」と自分に言い聞かせました。すると、お客様に商品をご案内する中で喜んでいただける場面も増え、営業の仕事が楽しく、やりがいを感じられるものになっていきました。

 就職活動中に入念に企業研究をした甲斐があり、とても働きやすい職場です。人間関係も良好で、先輩方に様々なことを教えていただきました。加えて、ワークライフバランスも取りやすく、結婚・出産後も働き続ける社員が大勢います。自分も家庭と仕事の両立ができるだろうと考え、入社3年目に結婚しました。

 入社4年目には、社内のことを深く知りたいと異動希望を出し、今は、運用部門の業務に携わっています。

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仕事にやりがいと誇りを持って
着実に成長しながら長く働き続けたい

 10年、20年とこの会社に長く勤めたいという気持ちは、結婚した今も変わりません。この先、家族が増えたとしても、仕事と家庭を両立していきたいと考えています。夫も私の仕事を理解してくれていて、家事を分担しています。

 今後は、現在の業務に関わる情報を幅広く収集し、柔軟な視点で物事を考え、自身の価値を継続的に高める活動を行いたいと思います。運用部門は事務業務が多く、自分の担当できる業務範囲が明確にわかります。チーム内で一番若手のため、基礎知識を確実に習得し、1人で業務を完遂できるレベルを目指しています。そして、徐々に担当領域を広げていけるようにしたいです。

 今部下はいませんが、将来的には、チームを束ねて問題解決に取り組んだり、メンバーを育てる側になることが目標です。

 小学校時代、帰国子女だったことで目立ちたくないのに目立ってしまい嫌な思いをしました。そんな経験から、仕事においてもあえて自分から挑戦はせず、ミスをしないことをつい優先してしまうのですが、慎重になりすぎたくないなという思いもあります。

 以前、国家公務員の方々と働く機会がありました。どの方からも仕事に対する強い熱意を感じ、大変な仕事だけども誇りを持って働く姿に、刺激を受け、自分もそんなふうに働きたいなと思っています。

 これまで自分の選択に責任を持ち、進路選択、就職、結婚と人生を歩んできました。選択をする際に、自分と向き合いどうしたいのかをよく考え、選択肢をよく調べ検討することで、この道に進むんだという自信と責任が持てるようになります。今後もそうして人生を歩んでいきたいと考えています。

 学生の皆さんには、様々な経験を通して、多くの人と出会ってほしいと思います。特に大学時代は時間があります。私は、アルバイトや短期留学で多様な価値観を持つ人との出会いを通じて、自分の視野を広げることができました。ぜひ、様々な挑戦をしてほしいと思います。

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編集後記

長く働きたいという将来の夢をしっかり持ち、慎重に就職活動をしたAさん。営業職という思いもよらない配属先にもめげずに、仕事を続けるという選択をしたAさんに、真の強さを感じました。目立つよりも着実に長く仕事を続けたいという堅実な彼女のような人が会社をしっかり支えていくのだろうと思いました。とはいえ、慎重になりすぎたくないという気持ちもあると語っていたAさん。10年、20年先にはどのような人生を歩んでいるのか、もう一度、お話をうかがいたいと思いました。

2021年7月29日取材

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