ベネッセ教育総合研究所
特集 高校の変化を見据えた大学広報とは
 
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【レポート4】
高校生からの福祉機器のアイデアを募る
日本福祉大学
 日本福祉大学の情報社会科学部では、2004年7月「福祉機器アイデアコンテスト」を実施した。募集を通じて福祉への関心を高め、高校生に学部をアピールすることが狙いだ。

教育内容とリンクさせる

 「福祉機器アイデアコンテスト」では、全国の高校生を対象に、福祉用具や福祉機器、ユニバーサルデザイン、ハンディキャップに配慮したサービスなどのアイデアを募集した。2004年度、情報社会科学部を2学科に改組したのに合わせて、情報社会科学部を広くアピールすることが狙いで、学生募集につながる広報活動の一環と位置付けている。日本福祉大学には、社会福祉学部など4学部があるが、情報技術を活用して高齢者や障害者の生活支援を目指す情報社会科学部の認知度はあまり高くないという。
 コンテストを企画した水野暁子教授は「教育内容や研究活動を知ってもらうことが大学のPRになり、その効果を高めるために努力することが教育や研究を一層充実させる、そんな循環をつくりたい」と背景を説明する。
 以前から、オープンキャンパスの体験コーナーや高校への出張模擬授業などで、福祉機器に対する高校生の関心の高さを知っていたというが、「福祉分野の仕事に興味はあっても、どんな職業があるのか具体的に理解している高校生は少ないでしょう。教育内容と密接に結びついたコンテストで、福祉機器や用具の企画を考えることで、本学部に関心をもってもらいたい」と期待を込める。ただし、このコンテストを学生募集に直接利用する考えはなく、参加者への資料送付は一切行わず、入賞者を推薦入試やAO入試の優先枠に入れるなどの特典もない。
 高校側の反応は、「生徒たちに障害者や高齢者のことを考えさせるいい機会になった」と好意的だったという。ただ、今回5〜7月だった募集期間については、「夏休みの課題として生徒に考えさせたい」との意見が目立った。高校教育への貢献という観点から、次回は夏休みを挟む形で期間を設定する方向で検討している。また、高校では総合的な学習の時間の活用方法が課題となっており、コンテストをその中で利用できる教材として提供することも今後のテーマといえる。



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