ボーダーラインの生徒の情報をカレッジカウンセラーに確認
1833年に創立されたオバリン(Oberlin)大学はオハイオ州にある学生数約2800人のリベラルアーツカレッジで、College of Arts & Science(約2300人)とConservatory of Music=音楽学校(約500人)から成る。アメリカで初めて女性に学士の学位を授与し、他大学に先駆けて黒人と白人の共学を実現するなど、革新的な大学として知られる。
オバリン大学では、Dean of Admissions and Financial Aid(アドミッションおよび奨学金担当部長)がアドミッションオフィスを統括しており、Director, Associate Director, Senior Assistant Director, Assistant Director(それぞれ日本の大学の課長、係長、主任、一般職員にあたる)などがアドミッションカウンセラーとして、学生募集と入学者選抜の役割を担っている。ちなみにアメリカの大学では、どこでもオバリン大学と似たような組織編成となっている。
一方、高校には必ず、カレッジカウンセラーと呼ばれる、教員とは異なる進路指導を専門的に行う担当者がいる。生徒の希望や適性に合った大学を紹介するだけでなく、出願書類(成績に関する報告や推薦書など)の作成も行う。高校に所属せずに、独立して進路指導を生業とするカウンセラーもいるが、その場合、契約内容(時間や金額)で指導の内容が異なり、電話や個別面談による指導だけでなく、保護者に代わって一緒に大学フェアのブースを回って歩く場合もある。カレッジカウンセラーに特別な資格は不要だが、その業務経験の履歴は重要な「売り」となる。
アドミッションカウンセラーは、カレッジカウンセラーとの信頼関係を構築し、大学の情報を提供するとともに、受験してくれそうな生徒の情報を得ることが重要な仕事の一つとなる。5月から10月頃にかけて担当地域の高校を訪問し、カレッジカウンセラーとミーティングを行い情報交換をする。その際、生徒からの個別相談も積極的に受け付け、大学をアピールすることも怠らない。大学フェアに参加するときも、その地域で個別相談を希望する生徒がいる場合には、宿泊先のホテルのロビーで面談をする。
「コミッティ」(※1)と呼ばれる合否の最終判定会議でボーダーラインにいる生徒の合否を判定するため、アドミッションカウンセラーがカレッジカウンセラーに追加情報を問い合わせることもある。
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