ベネッセ教育総合研究所
学生像を知り尽くした手配りで学習支援を強化
武蔵野大学教授
ガイダンス教育研究会
矢内秋生
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遠近法

地震防災の実習で身に付くマネジメント能力とは
法人化によって明確になったミッションを授業で実践

 これまでの大学は、ややもすると地域のニーズとは無縁のまま、教育も研究も行われてきたきらいがある。しかし国立大学の法人化は、疎遠だった地域との関係を深める契機になったのではないだろうか。
 静岡大学はミッションの一つとして、「地域社会とともに歩み、地域が直面する諸問題に真摯に取り組み、文化と科学の発信基地としての役割を果たす」ということを掲げている。
 3年生対象の総合科目のテーマ群「現代の社会と技術」の一つである「地震防災」というオムニバス授業は、まさにこの地域社会への貢献というミッションを具体的な姿にしたものといえる。  この授業を受講し、大学の防災行事に参加したり、ボランティア活動に携わることによって、学生は「救援活動や二次災害を防ぐための組織的な動き」を学ぶことができる。
 一般に誤解しがちだが、一口にボランティア活動といっても、ただ人が行けばいいというものではない。活動を実のあるものにするためには、事前に災害に関する専門的な知識、実践的な活動のためのノウハウ、危機管理能力などを身に付けておくことが必要である。ただ駆けつけるだけのボランティアはときに迷惑になることがある。


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