ベネッセ教育総合研究所
特集 進路学習の深化を探る
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2 高まる意識を「学習行動」に結び付ける仕掛けづくり
 進路学習の成果を日々の学習行動につなげることは、同校にとって重要な課題である。特に1年次の導入期の指導は、進路学習の改革と合わせて変更が行われた。
 その代表的なものが、4月に実施する宿泊研修である。以前は、進路指導部、生徒指導部など各分掌からの講話中心のイベントだったが、これを改め、佐賀西高生としての一日をバーチャル体験するものに変えられていった。
 「重視したのは佐賀西高生としての一日のタイムスケジュールを体感させることです。通常生徒が起きるだろう時間に起床。授業時間中に各教科からの指導(授業)を受け、帰宅から就寝までの時間帯に、予習・復習を行う。このような活動を通して、まずは進路指導を受け入れる下地を作ります」(鶴田先生)
 また、この学習合宿の直後に職業研究をスタートさせるのにも大きな意味が込められているという。
 「初期指導を成功させるには、学習合宿と進路学習の取り組みを同時期に行うことが不可欠だと判断しました。進路学習を通じ、進路意識が高まったとしても、日々の生活を具体的にどう変えるべきかがイメージできないと、具体的な行動には結び付きません。そこで、3年間のスタート時点で意識と行動を変える取り組みを同時に行うことにしたのです」(丹宗先生)
 同校のこうした姿勢は、3年間一貫したものだ。
 「2年前期の進路学習を経て、志望大、学部・学科をひとまず定める10〜11月は、志望校への生徒の意識が大きく高まるときです。直後の12月には生徒全員に志望校の赤本を購入させ、今後の学習計画の立案・面談などを実施することで、行動面でも『受験生』への転換ができるよう仕掛けていきます。進路意識を高める取り組みと、学習行動を促す仕掛けは、連動を常に意識しますね」(鶴田先生)
図3
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