ベネッセ教育総合研究所
大学改革の行方 大学競争時代の幕開け〜グッド・プラクティス
山崎秀保
文部科学省
高等教育局 主任大学改革官
山崎秀保
Yamazaki Hideyasu
工藤潤
財団法人大学基準協会
大学評価・研究部 企画・調査研究系
主幹
工藤潤
Kudo Jun
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Part1
特色GPから見えてくる大学教育改革の今


個人の業績ではなく大学・学部の取り組みを評価
 特色GPは大学教育の工夫改善に関わる教育プログラムのうち、学部段階での特色ある優れた取り組みを選定し資金を重点配分する事業である。同時に、他大学にとっても改革のモデルとなるような事例を広く公表することで、高等教育全体の水準を向上させることを目的としている。1大学につき1件の応募が可能(共同の取り組みによる申請は重複可)で、選定件数は全申請の1割程度。実施初年度となった03年度は664件の申請に対して80件、04年度は534件の申請に対して58件が選定(図1)された。1件当たり2〜4年間継続的に補助金を支給、事業自体は複数年継続する方針だ。
 審査対象となるのは、
(1)各大学・短大の教育目的に沿った特色ある組織的な取り組みで、大学・短大・学部・学科単位で実施しているもの
(2)申請時点までに継続的に実施している取り組みで、一定の実績を上げているもの

  文部科学省主任大学改革官の山崎秀保氏は次のように述べる。
 「教育と研究は大学にとって車の両輪のようなものですが、これまで日本の大学教員の意識は研究面に偏るきらいがありました。教育実践に対する評価は難しいこともあって、ほとんど評価の対象にされなかったんです。特色GPは研究者個人の業績ではなく、大学の教育システムやプロジェクトを評価するものです。どの取り組みを申請するか、どのようにアピールするかを学長以下、教職員が議論して申請に至る。その過程で、これからの大学の在り方として『研究だけでなく教育にも目を向けなくてはならない』ということを痛感した教職員も多かったようです」


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