ベネッセ教育総合研究所
VIEW'S REPORT 中高6か年指導のポイントを探る
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中3・高1をまとめて中期課程として対応
 同校の6年一貫教育の流れは図3に示した通りである。
図3
中3では英語・数学の習熟度別授業を経て、高1から国公立大コース・私立大コース、高校からの入学生(以下、外進生)の三つに分かれる。高2では内進生と外進生の混合クラスとなって文科・理科の各コースに枝分かれし、高3まで国公立大文科、同理科、私立大文科、同理科の4コースで大学進学に備える。
 課程制導入以前は、中学校と高校は校舎も別であり、前述のように教師のローテーションも中学校は中学校、高校は高校の中で行われる色合いが濃かった。そのため、川福校長の指摘する「意識の隔たり」が生じていたわけだ。
 この体制は大幅に刷新され(図4)、校舎を中高一緒にした上で、教科担当のローテーションも、主要教科については中1から高3まで持ち上がっていく教員を必ず配置することにしたのである。教科に関しては6年間の生徒の成長を見通しながら指導できる顔触れで引っ張っていくのだ。
図4
 更に、学年主任は置かない代わりに、各課程には、全体を見渡しながら指導のプランニングを行う「課程主任」と呼ばれる教師を配し、こちらは2年間ごとに前期から中期、中期から後期へと持ち上がるようにした。
 「課程主任は、学習に向かう土台作りとなる、学校行事などの指導プランを企画し、担任と共にそれを推進する役割を担っています。課程主任は、二つの学年を一度に見渡すことになりますから、そのサポートのために、各学年に2〜3名の課程担当を配置しました」(川福校長)
 また、中高接続の2年間が中期課程として一括して見る体制になったことは、教科指導面でも大きな効果があったと、女子進路指導部主任の三戸治彦先生は指摘する。
 「多くの中高一貫校と同様に、本校でもほとんどの教科が中学3年次に高1の単元まで進みます。中期課程の設置により中3と高1を同じ教師集団が継続して見ることが可能となり、中3段階での生徒の状況を確認した上で、高校の授業を進めやすくなりました」


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