ベネッセ教育総合研究所
VIEW'S REPORT 中高6か年指導のポイントを探る
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6年間を2年ごとに分けた3課程制の導入
 そんな同校で学校改革が本格化したのは4年前だ。進学校として着実に結果を出してきた同校だが、更なる飛躍を遂げるには、全体として有機的に統合された体制を整え、その中で6年間の指導を設定し直す必要があると考えたからである。
 「意欲を持って主体的に学習に臨める生徒と、そうでない生徒の2極化の進行は、中学時の学習・生活習慣調査や、高校でのスタディ・サポートなどから得たデータを見てもはっきり現れました。中学入試時には高いモチベーションを持っていても、中3、高1のあたりで中だるみを起こし、そのまま受験直前まで意識と行動の切り替えができないままの生徒の存在が、改めて浮き彫りとなり、学校全体の課題として認識されたのです」(今井先生)
 そこで導入されたのが、6年間を三つに分ける3課程制だった。中学校・高校の6年間を2年ごとに分け、それぞれ「前期課程」「中期課程」「後期課程」として、中学校・高校という区分に捕らわれない、生徒の成長段階に応じた指導を行うことにしたのだ。
 改革の旗振り役である川福基之校長は次のように述べる。
 「以前は中学校と高校で担当する教師の顔ぶれは違っていました。そのためか、生徒の成長過程においても重要な時期であるにもかかわらず、中学校と高校で連携して指導する気運が乏しかったんですね。そこで、この2年間を中期過程として、『生徒を送り出す』中学校と『受け手』の高校といった意識なく、継続して生徒を見ていく体制に変えたのです」


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