ベネッセ教育総合研究所
特集 高大連携の未来形
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高大連携の教育体系の確立に向けて手応え
 英語分科会の設置、近隣大学の参加など、更に深まりを見せた「高大連携会議」は、現在第三回会議の開催に向け準備が進められている。その意味で、この取り組みはまだまだ「発展途上」の部分も多いが、既に一定の成果を認め得る部分も多い。大学側が感じた成果を、辻教授は次のように整理する。
  「成果の第一は、『入試で計測すべき具体的な学力要件』という突っ込んだレベルで、高大双方の教員が一定のコンセンサスを得られた点だと思います。高校が大学入試と中学生の学力レベルの板挟みになっているのと同様に、大学も企業ニーズと高校生の学力レベルの板挟みになっています。両者の接点が明確になることは『高大の7年間を連続して捉えた』教育体系を確立する上で、大きな収穫だったと思います」
  このような問題意識の共有は、群馬大の学内に着実に広がっている。群馬大同大は第二回連携会議の開催に当たり、入試の作問を担当する入試委員会や、カリキュラム作成を担当する教務委員会に所属する教員にも参加を求めた。また、副学長自らが会議に参加するなど、高校側との話し合いの結果を、着実に学内改革にフィードバックする姿勢で臨んでいる。先に触れた個別学力試験への英語導入なども、既に学内では公式に議論がスタートしているという。直に高校側の声を聞き、高校側が総論賛成である旨を理解したからこそ議論が円滑に進んでいるのだろう。


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