ベネッセ教育総合研究所
特集 変わる高校入試に中学校はどう向き合うか
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Chapter2 入試の内容はどう変わるか
新教育課程で求められている思考力・表現力などを高校入試でも測ろうとしている

73.1%の県が「すでに実施」と回答
 表1を見てもわかるように、一斉入試の「教科・科目別学力試験で科目数を増やす」「教科横断型の総合問題を課す」ことを「実施」または「実施を決定」している県は0%です。一斉入試で、受験教科・科目が増えたり、教科横断型の総合問題が導入される兆しは見られません。
図表
 一方で入試問題の出題傾向は、変化の方向へと動いているようです。新教育課程では旧教育課程と比べて思考力や表現力の育成が重視されています。「学力試験で思考力、問題解決力、リテラシーなどの力を測る問題を課す」に対して「すでに実施」と答えている県が73.1%にも達するのも、思考力・表現力が中学卒業段階できちんと身についているかどうかを測ろうとしているわけです。
 思考力や表現力を問う問題は、単純な知識理解を測る問題よりは難易度が上がります。これらのタイプの問題に対応できる力を、授業を通じていかに生徒に身につけさせるかが課題であるといえます。
 ただし、個別に入試問題を分析してみると、都道府県によってバラツキが見られます。新教育課程で求められているものを忠実に高校入試で測ろうとしているところもあれば、現時点では旧教育課程とほとんど内容的な変化のないところもあるのです。中学校現場としては、少なくとも教育委員会の側に思考力や表現力を測る問題を出そうとする意思があることは、押さえておいたほうがよいと思います。


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