ベネッセ教育総合研究所
特集 小・中の壁を超える中1・1学期の指導 とは?
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中1のスタート時期は保護者も不安。
積極的な情報発信で信頼関係を築きたい
牛田 中1のスタートの時期は、子どもも不安でしょうが、保護者も同じように、「どんな学校だろう」と不安だと思います。とくに最近、学校のことを知りたいという保護者がすごく増えているんですよ。
 また私の学校のある瀬戸市では、06年度から「隣接学校選択制」といって、隣り合っている中学校のうちのどちらに入学するかを選択できる制度がスタートします。保護者と子どもに、本校の教育について理解と納得をしてもらったうえで入学してもらうためにも、情報提供を充実させる必要性を強く感じています。
玉置 私が勤務している光ヶ丘中学校では、5月の連休明けにホームページをリニューアルしたのですが、わずか5か月で、アクセス数が5万件を超えました。多くは保護者だと思われますので、それほど学校に関心があるということなんです。光ヶ丘中学校ホームページ
牛田 それはすごいですね。私の学校では「学校だより」を保護者と地域に配付していますが、紙媒体ですから回覧に時間がかかるのが弱点です。そういう意味では、普及率を考えるとインターネットを活用したほうが有効ですね。
玉置 紙媒体としては、前任校の小牧中学校で『小牧中学校の教育』(写真)という冊子を作成して、入学説明会のときに保護者に配付していました。これは「髪を染めたりピアスをしたりする生徒には、時間をかけて指導していきます」というように、中学校としての指導方針を、かなり細かいことまで具体的に書いたものです。中学校がなぜそのような指導をしているのか、子どもを入学させる段階で保護者に理解してもらいたいと考えたのです。
図表
▲写真 小牧中学校の教育
小牧中学校(愛知県)の入学説明会で保護者に配付する冊子。
中学校の指導方針がかなり細かいところまで書かれている
(クリックすると目次を表示します)
 こういった冊子を出している中学校は少ないこともあって、保護者からは好評でした。現在勤務している中学校でも、同様の冊子の作成を検討しています。
田中 玉置先生が前任校でされていたように、学力の実態や授業や評価の方法を説明するだけでなく、学校内のルールや生徒指導の方針など、すべてを説明することで、保護者とパートナーシップを築いていくことが必要ですね。
 中学校での初期指導を成功させるためには、小学校との連携が欠かせないし、保護者との信頼関係も不可欠です。学校外とも協力関係を結びながら、入学してくる子どものことを十分に把握・理解したうえで、指導のあり方を考えていく姿勢が大切だということですね。今日はどうもありがとうございました。


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