特集 研究授業を活性化させる!
金谷啓司

▲岡山市立福浜中学校校長

金谷啓司

Kanadani Keiji

湯浅淳子

▲岡山市立福浜中学校

湯浅淳子

Yuasa Junko
教務主任、国語科担当

千田和彦

▲岡山市立福浜中学校

千田和彦

Senda Kazuhiko
研究主任、数学科担当

VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
   PAGE 20/30 前ページ 次ページ

教科を超えたグループ編成で全員参加型の指導案を作る

 福浜中学校では、長年、異動してきた教師が授業を公開する取り組みを続けてきた。ただ、授業の空き時間が少ない上に、生徒指導に追われていることから、公開授業を実施しても参観できる教師は少なかった。そのため、授業者が手間を掛けて準備をしても効果や達成感が感じられにくく、研究授業は形骸化していた。
 そうした同校が研究授業の改善に向けて動き出したきっかけは、2007年度に岡山県教育委員会から「『授業で勝負!』支援事業」の研究指定を受けたことだ。教務主任の湯浅淳子先生は、「さまざまな課題にあれもこれもと取り組むのではなく、生徒も教師も『授業』で勝負しよう。学力向上への即効性はなくても、急がば回れの気持ちで行こうと考えました」と話す。
 目指したのは、「授業改善は一人では出来ない」という意識の下、教科の枠を超えて教師全員が参加して授業改善に取り組む仕組みづくりだ。最大の特徴は、教科に関係なく全教師を三つのグループに分けたこと(P.22)。そして、公開授業を担当する教師が一人で指導案をつくるのではなく、指導案検討会を開いてグループ内で話し合って指導案をつくり、公開授業を行うことだ(P.24)。
 1グループ当たりの人数は15人前後。基本的に年3回、1回2グループが同じ日に公開授業をする。1回の公開授業につき、事前に指導案を検討する機会を2回設定。授業公開日に加えて、事前検討会の日程も年間計画に組み込んだP.30)。
 当初は、他教科の指導案に意見を述べることをためらう教師が多かったが、回を重ねるごとに教師同士が打ち解け、率直に意見を言えるようになったという。
図:第1回(全3回中)公開授業の流れ

   PAGE 20/30 前ページ 次ページ
目次へもどる
中学校向けトップへ