Between編集長
足立 寛 |
| Betweenは（株）進研アドが発刊する情報誌です。 |
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| 進路・キャリア支援は教員組織との連携で |
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IPUコーポレーションが4年制大学の進路・就職指導担当職員に行った調査によると、低学年から進路・キャリア支援の取り組みを実施している大学は57.1％にのぼる（「低学年からの進路・就職指導に関するアンケート結果報告書」2003年1月）。その中で私立大学の取り組みとしてもっとも多かったのがガイダンスで、以下アセスメント、授業、セミナー、インターンシップ、リメディアル教育であった（図表1）。 |
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| ところが、その内容に満足している担当職員の割合は7.1％に留まっている。実施大学に今後の課題を聞くと、もっとも多くあげられるのが、「教員と事務部門間の協力体制」であった。ついで「カリキュラム編成上の問題」「実施のためのノウハウの蓄積」となっている（図表2）。 |
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この結果から、「大学は学生の就職予備校ではない」といった伝統的な大学教育観による呪縛にとらわれた教員が抵抗勢力となって進路・キャリア支援教育の導入を阻んでいる現状と、その打開に苦慮している担当職員の姿が垣間見えてくる。
教員組織の理解が得られないまま、いくら進路・キャリア支援に取り組んでも、その効果には限界があろう。この点について、立教大学キャリアセンターの加藤敏子副部長は、「平素の授業のなかで、自立型の人間形成に向けていかに教員と連携して取り組めるかが重要です」と指摘する。加藤副部長は、低学年からの進路・キャリア支援とは、就職指導をしなくても学生たちが自ら気づいて活動できるように促すための取り組みであるべきだという。近年では就職実績をあげるために、1年次から資格取得やスキルを中心とした就職指導に取り組む4年制大学も多いが、就職指導＝進路・キャリア支援ではないことを改めて自覚する必要があろう。
これからの学生支援の取り組みが成功するためのポイントは、いかに学生を巻き込めるかだろう。新入生が一番気になる存在は上級生である。身近な存在である先輩たちにロールモデルとなってもらい、教職員と一緒になって大学の付加価値を創り上げていく「共創」の時代を迎えつつあるといえよう。 |
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