ベネッセ教育総合研究所
特集 問われる個人情報の保護と活用法
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学生に対する利用目的の通知は少数派

 文科省の指針では、個人情報の取得にあたっては、その利用目的と利用範囲を知らせた上で、本人の承諾を得ることが望ましいとしている。だが、個人情報の運用規定などが学内で定まっていないこともあって、冒頭の質問で「検討予定なし」と答えた大学を除く大学の3分の2が学生に対して通知も公表もしていない状況にある(図表5)。
図表
  学外の第三者機関に学生の個人データを提供する場合に本人の同意を得るかどうかは、以下の四つのケースで調査がなされた (図表6)(図表7)。
図表

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 まず、学業成績や単位修得状況を保護者等に提供する場合、85.7%が学生に「通知している」と回答。このうち84.8%は学生の同意を「得ていない」上、今後の対応については、「同意を得る必要なし」(36.4%)が「同意を得る」(23.1%)を上回った。
 出身高校へ修学・進路状況を提供する場合は、学生に「通知している」48.3%、「通知していない」47.5%と判断が分かれた。通知している大学でも、学生の同意を得ているのは7.8%に過ぎない。
 就職情報サービス会社への氏名・連絡先等の提供については、23.9%の大学が提供しており、このうち、学生の同意を得ているのは87.7%。残り12.3%の同意を得ていない大学の42.9%は「同意を得る必要はない」としている。同窓会への個人情報の提供については、「提供している」が73.1%で、このうち75.9%は同意を「得ていない」という。
 これら四つのケースのうち、学生の同意を得ないで通知している場合の今後の対応について、最も苦慮しているのは、学生の出身高校に修学・進路状況を提供する場合で、55.3%が学生の同意を得るかどうかの判断に迷っている。
 最後に、受験生からの入試結果の開示については、「一切開示に応じない」が54.6%であるのに対して、「開示する」は29.4%。開示している大学のうち、手続き方法などを入試要項などで知らせているケースが45.7%、知らせていないが申し出があれば開示するというケースは54.3%だった(図表8)。
図表


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