高等教育の改革に関する検討の現状を見たとき、2012〜2013年を一つの節目と考えることができる。その理由を3つ挙げる。
第一に、さまざまな政策審議が2012年前後を目標時期として行われていることである。2008年7月に閣議決定された教育振興基本計画は、「この5年間を高等教育の転換と革新に向けた始動期間と位置づけ、中長期的な高等教育の在り方について検討し、結論を得る」としている。
同年12月に中央教育審議会から答申された「学士課程教育の構築に向けて」は、教育振興基本計画の具体化に必要な取り組みを示すものとして位置付けられている。同じ年の9月には、同基本計画と、学士課程答申に先立って出た「審議のまとめ」の内容を具体化するため、「中長期的な大学教育の在り方について」が諮問された。
現在の中教審大学分科会の主な審議テーマと背後にある改革の課題は、図表1の通りである。 |