学士課程教育体系化のステップ

Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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科目と学科の到達目標の関連性を一覧表化

 カリキュラム・チェックリスト(以下リスト)は、表の「列」部分に学科等のDPを配置し、「行」部分に当該学科等で開講されている授業科目の到達目標を配置したものである。両者がクロスするセルの中で、その関連性の度合いを表示できる。各授業科目の到達目標が、DP達成のために特に重要な事項には◎、DP達成のために重要な事項には○、DP達成のために望ましい事項には△、関連しない場合は空欄とする(図表2)。愛媛大学では、山口大学や立命館大学の例を参考に、フォーマットを作成した。

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図表2:法文学部人文学科のカリキュラム・チェックリスト

 このリストを各学部で作成してもらうにあたっては、2007年度第2回教育コーディネーター研修会において、コーディネーターが自らの所属学部におけるDPと開講科目を使ってシミュレーションを実施した。リストの入力作業にあたっては、授業の到達目標が適切に示されていることが前提条件となる。しかし、実際は、そうなっていないシラバスが多いことがわかり、その場合は担当の教員が書き直しをしなければならなかった。このため、6学部中3学部が、この時期に、シラバスの書き方に関するFD講習会の開催を教育企画室に依頼してきた。
  セル内が空欄ばかりの科目はDPと全く関連性がないことを意味するが、その対応については各学部に任された。当該科目の到達目標を修正する、その科目を廃止する、もしくはDPを修正するという対応が想定される。
  作業の結果、年度内には多くの学部・学科でリストが完成した。

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アカデミック・トライブとテリトリー
 イギリスの高等教育学者であるベッチャーとトロウラーは、学問集団に特有の文化(人々の実践を規定する当たり前とされる行動、態度、価値)をAcademic Tribes(学問種族)、その集団に特有の知識をAcademic Territories(学問領地)と呼び、その存在と両者の関係性を明らかにした。大学教員はさまざまな点で異なる世界に生きているが、種族や領地を超え、協働して新しい知を生み出す取り組みが求められる。

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