VIEW21 2001.04  今日と明日の活力をもたらす創意工夫
 学校活性のヒント 群馬県立沼田高校

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生徒自身の言葉を引き出す

 個別指導として重視しているのは面談だ。「スタディーサポート」や模試の結果が返ってきたときなど、生徒との面談を頻繁に行うが、そのときは個人票を活用すると、堀口茂樹先生は言う。
 「個人票を生徒に見せて『どうすればいいと思う?』と聞きます。個人票は生徒にも分かるように本人の弱点が明らかになっていますから、さすがに生徒も真剣に考えます。あくまでも、生徒に主体性を持たせ、自分の言葉で、課題を明確にさせるように心掛けています。教師から押し付けられたのではなく、自分で挙げた課題なら、生徒も言い訳せずに積極的に取り組むようになりますから」
 また、進研模試を実施する度に、科目ごとに過年度や他校と偏差値分布を比較・分析し、科目担当者は分野ごとに弱点を洗い出し、学年全体の具体的な学習目標を掲げるようにしている。これらの結果を学年通信を通して生徒や保護者に伝えて、学年全体の克服すべき課題として、生徒に自覚を促している。
 学年全体に訴えかける取り組みと、生徒個別に対応したきめ細かな取り組みを、目的に応じて使い分けている沼田高校。今年度からは入学式の3日後に学習ガイダンスを開く。従来通り学習合宿も行うが、新入生が中学校での学習スタイルを高校に持ち込む前に、高校での学習スタイルを身に付けさせるためには、より早い対応が必要だと感じたからだ。
 「私たちの指導の改革は始まったばかりです。高校生としてスムーズなスタートが切れるように、どんな生徒が入学してきても入学後、生徒の実状をいち早く把握し、その実態に合わせて適切な指導を工夫していきたいと考えています」(益子先生)


▼スタディーサポート
1年生第1回/入学段階でのクラス担任による個別指導をサポートするシステム。
▼進研模試
高1総合学力テスト・7月/夏休み前の学力測定や学習習慣の定着を目的とした全国最大規模の大型記述模試。'00年度受験者は42万人。


写真 益子定 写真 松本和行 写真 堀口茂樹
群馬県立沼田高校教諭
益子 定
Masuko Sadamu
教職歴27年目。同校に赴任して4年目。数学科担当。進路指導主事。「情熱を持って接すれば生徒に通じると信じて指導しています」
群馬県立沼田高校教諭
松本和行
Matsumoto Kazuyuki
教職歴16年目。同校に赴任して7年目。数学科担当。第2学年担任。「辛いことでも前向きに乗り越えられるよう、生徒をサポートしていきたいですね」
群馬県立沼田高校教諭
堀口茂樹
Horiguchi Shigeki
教職歴17年目。同校に赴任して2年目。国語科担当。「思いやりの心で生徒と接するだけでなく、生徒にもその心を伝えたいです」
群馬県立沼田高校
1897年創立。普通科の男子校。数理科学コースを含めた全校生徒数は716名。'00年度入試では、群馬大16名、筑波大4名など、国公立大に合計48名が合格。私立大には早稲田大6名、法政大13名など、延べ294名が合格。
住所/群馬県沼田市西原新町1510 電話/0278(23)1313

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