ベネッセ教育総合研究所
大学改革の行方 法科大学院で変わる進路指導
長谷部恭男
法科大学院協会事務局長
東京大大学院法学政治学研究科教授
長谷部恭男
Hasebe Yasuo
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Column
全国の大学院をつなぐ法科大学院協会
 法科大学院協会は、法科大学院相互の協力を促進し、大学院全体の教育水準を上げることを目的として03年12月に設置された。04年度に開学した全68大学が加盟、岩手大、筑波大など準加盟大が21大学(04年3月時点)で、今後、法科大学院の新規設置に伴い、順次拡大していく予定である。法科大学院協会事務局長の長谷部恭男教授に、同協会の活動についてうかがった。


法科大学院協会の活動について教えてください
当協会では次の各分野について検討委員会を設置し討議を継続しています。
 (1) 各大学院のカリキュラム内容の検討
 (2) 教授法を含めた教員の研修
 (3) 司法試験の在り方についての検討と提言
 (4) 法科大学院の選抜方法の検討・提言
 (5) 適性試験に関する検討と提言
の5点です。

検討会の中で、現在、具体的に進行している話し合いはどういった内容なのでしょうか?
現在、(1)については公法実務系科目の設置を提言し、授業の内容や進行方法について中間報告をまとめました。(2)法科大学院の多くの教員は、新たな教材開発をして授業に臨んでいますが、教授法の開発は喫緊の課題です。各大学院からアンケートを採り、04年秋にシンポジウムを開催する予定です。

法科大学院の特徴の一つは、実務家が授業を行うところにあるわけですが、実務家と研究者教員のコンセンサスをとるのは難しいのでしょうね
今のところ、各大学院レベルの活動にとどまっていますが、実務家教員と研究者教員がお互いの授業を見合ったりして切磋琢磨しているようです。秋のシンポジウムで、各大学院から踏み込んだ意見が出ることを期待しています。

司法試験に関して協会から提言することはありますか?
それは司法試験委員会が決めることなので、協会から働き掛けるのは難しいのですが、委員会の方でもモデルとなる試験問題を提示してきたり、また05年度にはプレテストも予定されています。それを前提に各大学院及び当協会と委員会とのキャッチボールは当然なされるでしょう。

新試験と現行試験の合格者配分についてどのようにお考えでしょうか?
新しい法曹養成制度を推進しようとする考え方からすると、できるだけ新司法試験の合格者の枠が多くなればいいとは考えています。長期的には全面的に新司法試験の合格者になるわけですから、そこにスムーズに移行できるような配分が実現すればいいですね。

今後の協会の活動についてお聞かせ下さい
関係諸機関との話し合いを通して、加盟校と協会の意見を積極的に外部に提言して行けたらいいと思っています。検討委員会では継続的・定期的に審議を行います。発信のチャネルは常に開いておくつもりです。


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