ベネッセ教育総合研究所
特集 進路学習の深化を探る
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活動の検証と教師の足並み揃えが今後の課題
 以上のような学校活動全体を通じた指導によって、同校の生徒たちは、自らの進路を探究していく。「実際に進路室に足を運ぶ生徒が増えた」「学習時間も好転しつつあるようだ」といった生徒の変化に手応えを感じている反面、解決すべき課題も見えつつあるようだ。
 「進路指導で直接生徒と向き合うのはあくまでも学級担任ですから、できるだけ担任主導の活動となるような指導案を作成してきました。取り組みの意図や考える視点を伝えるガイダンスなどは、是非担任の先生からお願いしたいと思っている部分です。先生方の負担を考えると難しい問題ですが、行事の見直しなども含めて、学校全体でこうした事柄を討議するつもりです」(越智先生)
 また、一旦確立した指導スタイルを、どのように守り、更に発展させていくのかという課題も、今後は益々重要になってくるはずである。
 「本校では毎年20名近い先生が異動するので、現在の指導スタイルが確立した背景にある思いや、理念の部分をどう伝えていくかが課題になると思います。理念の『共有』に加え、社会や生徒の変化に対応できるよう『検証』『発展』させる発想を取り入れる必要があると考えています」(丹宗先生)
 03年度から始まった指導を受けた生徒が初めて卒業するのは05年の春。今までの活動の成果をどのように総括し、次代に継承していくのか、今後の同校の動きに注目したい。
図5


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