ベネッセ教育総合研究所
VIEW'S REPORT 中高6か年指導のポイントを探る
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生徒と接する時間を増やし信頼関係を築く
 高校になるといよいよ意識面でも学習面でも大学受験を視野に入れた取り組みが始まるが、生徒との信頼関係を醸成することを通して進路実現を図る指導を目指している。
 高1では外進生と内進生は別クラスで1年間を送る。両者が同じクラスになるのは、文系・理系の各コースに分かれる高2からだが、同校の場合、高2年次のクラスは、そのまま卒業まで変わらない体制となっている。
 高2進路指導主任の村上幸志先生は次のように指摘する。
 「人生を方向付ける大切な時期だけに、生徒との信頼関係を強めることも、教師に課せられた重要な課題です。2年間同じクラスの生徒と担任とがじっくり向き合って、できるだけ生徒と時間を共有することで、素直に教師のアドバイスも耳に入るような信頼関係が築けると思っています」
 中でも信頼関係を築く上で大切な時期は、高2の初めのクラス分けの時だ。成績が伸び悩み、希望するコースのクラスに入れなかった生徒への精神面のフォローが課題となる。
 「高2の最初の段階で生徒の変化が分かりますね。遅刻や欠席が頻繁になったり、表情が違っていたりする。面談で励ましたり、具体的に成績が落ち込んだ生徒には担任が放課後などに一緒に勉強を見てあげたりする。時間をかけて生徒と向き合うことがいかに大切かを感じますね」(村上先生)
 また、早朝テストなどの小テストで、生徒の学習の達成状況をこまめにチェックしていることも、生徒の状況を把握する上で効果を発揮している。高3進路指導主任の龍田知彦先生は、次のような方法を取っているという。
 「私の担当教科の数学では、定期考査などの前に基礎的な内容の小テストを実施し、生徒の到達度を測っています。そこで結果が出ないのは授業についてこられなくなる最初の兆候です。再テストや放課後の個別指導などを通して、大きな落ち込みを防ぐためのフォローを充実させています」


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