ベネッセ教育総合研究所
シラバスの活用 シラバス運用の新たな潮流
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中1向けの保護者用シラバスを検討
 では、生徒に提示する授業の指針はないのかというと、もちろんそうではない。
 長崎東高校では以前より、学期と長期休暇ごとに年6回「学習のしおり」を生徒に配付し活用している。授業の内容や範囲、学習をする上でのポイントが全教科について記されている上に、自宅学習の時間や生活の記録を記入して担任に提出するようになっている(図4)
図4
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 西田先生によれば「常に生徒が活用できると共に、ほぼ2か月に1回発行するため、教師にとっても生徒の状況に応じて指導を軌道修正することができる」という。
 長崎東高校ではこの「学習のしおり」が実質的なシラバスとして、10年以上も活用され効果を上げている。そのため授業シラバスについては「実を上げているものだけを残し形式的なものは廃止する」という長崎東高校のスタンスに照らし合わせて見直しを進め、生徒には「学習のしおり」、保護者には「保護者用シラバス」と「立山の風」を用いて、双方の意識向上を目指す体制が整えられつつあるのだ(図5)
図5
 今後の課題は、04年度の中学校併設を機に、中1向けの保護者用シラバスを作成することだという。
 「現在は、中学校の体制づくりに追われているため、実際にシラバスを作るところまではいっていませんが、今後は中1については高校以上に必要でしょうね。小学校との違いはもちろん、中高一貫校ですから、一般の公立中学校との違いについても、きちんと説明していかなければなりません。その際にも、学校案内や保護者集会以上に、保護者用シラバスが重要な役割を果たしてくれると思っています」(寺田校長)
 高校のみならず、中学校まで発展しつつある保護者用シラバス。保護者と連携を図り、教師・保護者の両輪で生徒を育成していく土台づくりのためのツールとして、益々重要になってくるだろう。


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