ベネッセ教育総合研究所
特集 高大連携の未来形
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学部入学後をも見越したカリキュラムを編成
 さて、以上で見てきたのは、学部入学前の接続教育であったが、中央大商学部では、学部入学後においても高大の接続を意図した取り組みを継続している。中でも、大学1年次に設定されている少人数ゼミ「ベーシック演習」はその鍵となる授業と言える。
  「ベーシック演習では、10〜15名の学生に対し教員1名が付き、高大の橋渡しをするような授業を担当教員が工夫して実施します」
  この授業のメインになるのは「演習論文」執筆に向けた個別指導である。課題設定から資料収集、分析・考察に至る一連のプロセスを、1年次のうちにしっかりと身に付けることで、以後の大学教育にスムーズに対応することを目指しているのだ。また、この取り組みにおいては、学部入学前のプログラムの違いによる学生の気質の差を埋める効果も期待されているようだ。
  「現状では、十分な入学準備教育の機会が与えられるのは、特別・推薦入試枠の生徒などに限られています。学部入学後すぐに、学生同士が触発し合えるゼミという環境があることは、学生間の意識や学力、学習プロフィールのギャップを埋める上でも効果的ですね」
  また、中央大商学部では、学部段階でより専門的な授業を履修できるプログラムとして、資格取得や技能習得に特化した履修メニューも00年度から用意している。「商学のスペシャリストを目指したい」と、高大接続教育を通じて高まった生徒たちの意欲に、きちんと応えられるカリキュラムを準備しているわけだ。
▼図3 中央大商学部の「高大接続教育」の体系
図3
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