ベネッセ教育総合研究所
指導変革の軌跡 岐阜県立武義高校「意識改革」
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一人ひとりの文武両道を目指して
 教師の意識改革と並行して、生徒の気持ちを高める働き掛けもなされていった。「文武両道」はあらゆる高校のテーマと言ってよいが、部活動加入率85%を誇る武義高校では、「一人ひとりの」という言葉を添え、より生徒が受け止めやすい目標として提示した。「一人ひとりの文武両道」を実現するために何が必要か、今の生徒たちに足りないものは何か。
  纐纈校長が考えたのは「生徒に自信と誇りを持たせること」だ。
  「生徒には事あるごとに本校の伝統や先輩の素晴らしさを聞かせました。そして、『挨拶もしっかりできるし礼儀正しい。服装もきちんとしている』といった武義高生に対する地域の評価も伝えました。こういう良い評判をきちんと伝えることで、武義高生としての自信を持たせれば、学習へのモチベーションも上がるのではないかと考えたのです」
  「武義高オール部活動公開発表会」を03年8月に開催したのも、「一人ひとりの文武両道」を達成し、自信と誇りを持たせるためだ。すべての部活動の練習や試合、展示や発表を外部に公開し、PTA役員の協力の下、フリーマーケットや売店なども設置。この取り組みは好評で、初年度は地域の人々や保護者など約500名が来場、更に04年度には高校説明会を同時開催し1000名以上の中学生や保護者が訪れたという。地域の評価や期待を体感することで生まれる学校へのロイヤリティ形成と、学びへの動機づけを図っていったのである。


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