ベネッセ教育総合研究所
VIEW'S REPORT SELHiから英語教育の未来を探る
PAGE 2/10 前ページ次ページ


SELHiの成果を英語教育全体へ波及
 教師間の情報共有や協力体制の強化が進んだことも、SELHi活動の成果の一つとされる。英語教育の充実、指導の体系化という目標に向けて、指導や評価の方法、評価規準のすり合わせを行う中で、従来の個人技に頼った授業や指導の在り方の見直しが、SELHi事業を契機に進められたのである。「SELHi活動で得た成果を校内の英語コース以外の普通科にも広げる、あるいは研究成果の学外への普及を通して、他校の授業改善や教師の指導力向上を促すことも重要な目的です」と山脇氏は明かす。
  もっとも、SELHi校の中で「点」として生まれた成果を、英語教育全体へ浸透させていくのはこれからの課題だ。そのため、04年度末の第1期校の取り組み終了を一つの区切りとして、文部科学省は今後、成果の波及を促す取り組みを重視していくという。
  例えば、05年3月に開催された「SELHiフォーラム(※3)」など、英語教育に関心の高い研究者や教師が集まって意見交換できる場が設けられている。また、05年度31校が新たにSELHiの指定を受けたが、その中には、普通科高校で全員対象の授業の改善に取り組むことを研究課題とした学校も少なくない。
※3 05年3月に、SELHi第1期指定校16校の取り組みの発表と成果の共有を目的として「SELHiフォーラム〜英語の授業の改善のために〜」が開催された。本フォーラムでは、研究者・高校教師による分科会形式でのディスカッションなどの場で、活発な意見交換が行われた。
  更に、Webサイト上で実践内容や成果を共有するシステムの整備も行っていくという。授業で使われたシラバスや教材の公開、各SELHi校の取り組みに対する企画評価委員による外部分析、授業の動画配信などを予定している(05年4月以降順次配信予定)。


PAGE 2/10 前ページ次ページ
トップへもどる
目次へもどる
 このウェブページに掲載のイラスト・写真・音声・その他のコンテンツは無断転載を禁じます。
 
© Benesse Holdings, Inc. 2014 All rights reserved.

Benesse