ベネッセ教育総合研究所
VIEW'S REPORT SELHiから英語教育の未来を探る
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SELHiを通して教師の協力体制が確立
 岡山城東高校が得たもう一つの成果は、教師間の協力体制が強化されたことだ。少数の教師のみが関わる活動にとどまると、学校全体で教授法などのノウハウは蓄積されない。
  岡山城東高校の全員体制の原動力となったのが1年目の7月から実施している「セルハイランチ」だった。外国語科の全教師が、毎水曜日に昼食を共にする集まりである。
  「連絡事項の伝達や実施状況の報告などが目的ですが、時には愚痴をこぼしたり指導上の悩みを打ち明けたりすることもあります。30分程度の話し合いですが、ずっと続けてきたことが大きな力になっていると思います」(小山先生)
  協力し合う雰囲気が常にあったからこそ、一連の取り組みもスムーズに遂行できたというわけだ。
  指導の体系化を通じた授業改善、教師間の協力体制の確立など、SELHi活動を通して岡山城東高校の英語教育力は確実に高まりつつある。「GTEC for STUDENTS」で見ても、国際系の生徒の伸びは著しく、2〜3年次の一年間だけで、リーディングは31ポイント、リスニングは32ポイント向上し、トータルスコアの生徒平均は「528」から「598」にまで伸びた(※3ページ図1「GTEC for STUDENTS測定結果」参照)。
  では、今後の課題は何だろうか。
  「本校のシラバスはあくまでSELHi活動の研究成果として構築したもので、言わば教師の目線合わせのためのものです。今後は05年度から国際系の生徒用シラバスを配付しシラバスの精緻化を一層進めると共に、SELHi活動で得たノウハウを校内全体の生徒の授業にも反映させたいと考えています」(小橋先生)
  SELHiの成果を体系化し、普及させてこそ、本当の意味でSELHi活動が完結するのである。
▼図3 岡山城東高校のSELHi活動概念図
図3


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