ベネッセ教育総合研究所
VIEW'S REPORT SELHiから英語教育の未来を探る
PAGE 9/10 前ページ次ページ


評価規準を通じて授業が変わる
 3年目(04年度)の取り組みは、評価規準を基に学習指導案の作成・運用を試みる活動となった。こうした取り組みが、岡山城東高校の英語教育全体の体系化へも結び付いたことは大きな成果だ。
  「ロールプレイといった活動の導入は『その場は盛り上がるが何を身に付けたのかがはっきりしない』ということに陥りがちです。こうした活動を、いつ、何のために行うのか、全体のカリキュラムにおける位置付けを確認しながら授業を進めようという方向に、教師の意識は大きく変わりました」(小山先生)
  更に、国際系の生徒が取り組む様々なイベントについても、3年間の英語教育の体系化の中で、その意義や位置付けを改めて捉え直すことができるようになった。
  例えば、2年次3学期に実施される英語合宿「ITC(※6)」は、国際系の生徒にとって、大きな節目となるイベントだが、これも、普段の授業との関連の中で位置付けられるようになったという。
※6 正式名称は「Intensive Training Camp」。岡山城東高校が行っていた従来の希望者参加の英語合宿を刷新し、02年度より授業の一環として、国際系の生徒が全員参加する形態で実施。04年度のITCは県内の高校から9名のALTも参加し、2泊3日のプログラムで行われた。英語による観光案内や英語劇の上演、ディベートなどに取り組み、これまでの学習活動が具体的な英語使用の場面でどのように役立つのかを実感させると共に、生徒の情意的側面の改善を狙う。
  「普段の学習活動が、ITCのどの取り組みとリンクしているのかを授業の中できちんと伝えていきました。生徒も『観光案内で失敗したのは、オーラル・コミュニケーション2の授業の中で学習したスピーチの構成力が十分でなかったためだ』といった風に、通常の学習活動と関連させて捉えるようになりました」(小橋先生)


PAGE 9/10 前ページ次ページ
トップへもどる
目次へもどる
 このウェブページに掲載のイラスト・写真・音声・その他のコンテンツは無断転載を禁じます。
 
© Benesse Holdings, Inc. 2014 All rights reserved.

Benesse