ベネッセ教育総合研究所
理数教育の展望
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生徒に対してインパクトを与える授業を!
―近年、学校の中だけでなく、社会の中で学ぶ機会として、インターンシップ(就業体験)が盛んになっています。御社でも、多くの学生を受け入れていらっしゃいますね。

堀場 企業側ができることとして、当社でもインターンシップの場を広く提供しています。けれども、半日や1日「見学」するだけでは、あまり意味がないように思います。少なくとも2、3か月に渡って会社の一員として現場を「体験」することで、初めて自分に向いていること、やりたいことの輪郭が見えてくるのではないでしょうか。当社には海外からも研修生が来ますが、彼らは1年間という腰を据えた滞在の中で非常に熱心に技術や知識を吸収し、論文を仕上げていきます。日本の教育現場では、そこまで思い切ったことはできないようです。けれども、本当に子どもの幸福を考えれば、小手先だけの改革ではダメなのです。インターンシップを行うなら、それを教育プログラムの中でどう位置付けるのか、それをやることで子どもたちに何を学ばせたいのか、頭をひねって真剣に考えてほしいと思います。
 人間の能力や与えられた時間は有限です。だからこそ、一生のうちに何かを成すためには興味の方向を絞って、そこをとことん追究していくことが重要なのです。硬い鉄でも、焦点を絞り力を加えれば穴を開けることができる。
 SSHでも、教師は生徒に、何に焦点を絞り、力を注いでいくのかを気付かせるような、インパクトのある授業を展開するべきです。教師が生徒を良くしようと努力し、エネルギーを注げば、まさに「作用・反作用の法則」のごとく、必ず生徒から手応えのある反応が返ってくるはずです。もし、生徒を鍛える場が学校の中だけでは足りないのであれば、積極的に学校の外へ協力を要請していただきたいと思います。私たち企業人の多くは、日本の将来のために教育に協力したいと願っています。

―本日はどうもありがとうございました。


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