第4回学習基本調査・中学生版
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2. 2001年以降の中学校教育をめぐる動き

 分析結果の概観に入る前に、第3回調査が行われた2001年以降の中学校教育をめぐる動きを簡単に確認しておこう。


 この間の中学校教育に何より大きな変化をもたらしたのは、2002年度から完全実施された学習指導要領の改訂である。完全学校週5日制、学習内容の精選、「総合的な学習の時間」の導入、選択教科等にあてる授業時数の拡大など、ゆとり路線と、一人ひとりの個性にあった教育という新自由主義的な発想に従って、それまでの中学校教育のしくみを大きく変える内容となっていた。

 ところが、1998年に告示された学習指導要領の移行措置が進む過程で、新しい学習指導要領に基づく教育では子どもたちの学力低下を招くのではないかとの批判が起こった。そこで文部科学省は、学習指導要領の完全実施の直前に『学びのすすめ』を発表して、「確かな学力」の向上を目指す姿勢を打ち出した。学習指導要領の示す内容をより深める「発展的な学習」を扱うことが認められたり、基礎・基本の確実な定着を目指す指導や学ぶ習慣を身につけるような指導機会の充実が求められたりするようになった。


 学校選択制の導入や初等中等教育段階の学校の多様化もますます進んだ。特色ある学校づくりは、たとえば東京都では数値目標を設定させるなど、1990年代後半から取り組まれていたが、ここ数年は、いくつかの地域や学校では学力テストの結果を公表するなど、学業達成度による競争がなされるようになり、その結果を参考にして学校選びをする保護者が増えてきた。また、公立の中高一貫校も、その形態は併設型、連携型、中等教育学校とさまざまながら、この間に30校ほどから130校を超えるほどにまで急速に増えてきた。

 つまり、第3回調査が行われた2001年は、ゆとり路線が一番進んだ状態にあり、2002年度からは、しくみはゆとり路線をベースにしながらも、実態は、確かな学力の向上とそのもとでの学校の多様化へとシフトしてきているととらえることができよう。

 このようなしくみと実態のズレの狭間で、中学生たちの学習に向かう姿勢や考え方がどのように変化し、どのように多様化してきているのかをみていくことにしよう。

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