ベネッセ教育総合研究所
特集 豊かな学力の確かな育成に向けて
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基礎的な学力Aは百パーセント、
実践的な学力はテーマがつくれるまで
 小学校で育てたい力は、大きくは二つあります。
 まず、基礎Aについては、全員が百パーセントできるようにすること。積み残すと、中学校に入ってから困ります。基礎Bは、全員を3段階の評価規準でいうとB以上にする。このような覚悟を持ち、達成するための方略を立てるべきです。
 とりわけ基礎Aについては、学校の正規の教科の時間だけでは定着しません。しかし、いま、学校外の時間が極端に減っています。とりわけ遅れがちの子どもほど家庭でも勉強していませんから、無学年制で履修する特別な時間を設けるべきだと思います(注1)。
注1 例えば愛知県の緒川小学校で行われている、基礎・基本定着のための「はげみ学習」はよく知られている。

 小学校で育てる学力をカリキュラムとの関連でいえば、図2のようになります。
図
▲図2 4つの学力と教師の指導・支援との関係を示したのが図2−1。
基礎ABでは教師の指導の役割が大きく、発展・実践では、支援の役割が大きい。
また、4つの学力とカリキュラムとの関係でいえば、基礎から実践にいくに
したがって、課題習得型から課題発見型にウエイトが移る(図2−2)
 基礎A+Bを育てるには、「課題習得型学習」のカリキュラムが中心になり、発展・実践へと進むにしたがって「課題発見型学習」のカリキュラムが中心になります。教師のスタンスも同様に変わってきます。そのような観点から、自校のカリキュラムを見直していただきたいと思います。


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